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マシュー・マコノヒ―が体現する父性―配役の魅力

クーパー役のマシュー・マコノヒ―【Getty Images】
クーパー役のマシューマコノヒGetty Images

本作の配役といえば、やはりクーパー役のマシュー・マコノヒーを挙げなければならないだろう。

マコノヒ―は、元々ロースクールに通い弁護士を目指していたが、映画に興味を持ち俳優に転身。『評決のとき』(1996)の新米弁護士役で注目されて以降、『U-571』(2000)などのアクション大作や、『10日間で男を上手にフル方法』(03)などのコメディ映画など、数々の映画作品に出演してきた。

そんな彼は、本作で、2人の子どもを持つ平凡な父親クーパーを好演している。とりわけ、水の惑星での任務の後、家族からの23年分のビデオレターを涙ながらに観るシーンは、マコノヒ―の迫真の演技も相まって思わず涙が出てしまうこと請け合いだろう。

なお、マコノヒ―は、本作の製作総指揮を務めたキップ・ソーンが監修したSF映画『コンタクト』にも、この作品では、主人公エリーの元恋人であるパーマー・ジョス役で出演。電波天文学者であるエリーと意見の違いから対立する合衆国政府の宗教顧問という役柄で、『インターステラー』とのリンクを感じさせる。

そして、ヒロインのアメリアを演じるのは、『ブロークバック・マウンテン』(2005)や『プラダを着た悪魔』(2006)でおなじみのアン・ハサウェイ。『プラダを着た悪魔』では、コメディエンヌとしての才能を存分に見せつけたアンだが、本作では学者という役柄もあり、知的で凛とした演技を披露している。なお、本作の撮影は、彼女の俳優人生の中でもとりわけ過酷なものだったようで、アイスランドでの撮影では低体温症で命を落としかけたのだとか。

また、本作には、マン博士役のマット・デイモンや、クーパーの息子トム役のティモシー・シャラメなど、著名な俳優が端役として出演している。彼らの演技にも注目したいところだ。

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