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画面を彩るローマの観光名所―映像の魅力

映画『ローマの休日』のワンシーン。(左から)オードリー・ヘプバーン、グレゴリー・ペック
映画ローマの休日のワンシーン左からオードリーヘプバーングレゴリーペックGetty Images

本作では、イタリア・ローマの名所がこれでもかと登場する。

例えば、アンとジョーが出会った場所は、世界遺産に登録されているローマ遺跡、フォロ・ロマーノ。その後、2人が観光で訪れた場所は、かの有名な古代ローマの円形競技場、コロッセオだ。

また、アンが髪を切る美容院があるのは、ローマの水道の終端点だったトレヴィの泉。加えて、アンがジェラートをほおばっていたローマ中心街にあるスペイン広場だ。

そして、最も有名なのが「真実の口」だろう。

海神オーケアノスがモデルで、嘘をついている者が手を入れると手が抜けなくなるという伝説のあるこの彫刻だが、本作ではジョーの手が抜けなくなり、アンを驚かせる演出で使用している。

また、本作で最も有名なシーンは、アンとジョーがスクーターでイタリア中を滑走するシーンだろう。2人が乗ったスクーターのベスパは、世界中で最も有名なスクーターと言われ、現在でも生産され続けている。

なお、ロケは、撮影予定のロケ地が膨大なため、撮影の間に脚本を書き進める方法で行われた。しかし、発砲騒ぎや爆発騒ぎなどさまざまな騒動があり、スクーターの滑走のシーンには、3分程の撮影に6日もの日数を要したという。

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