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作品世界に慎ましく寄り添う旋律―音楽の魅力

映画『ローマの休日』のワンシーン。(左から)オードリー・ヘプバーン、グレゴリー・ペック
映画ローマの休日のワンシーン左からオードリーヘプバーングレゴリーペックGetty Images

本作の音楽を担当したのは、フランスの音楽家、ジョルジュ・オーリック。

映画『赤い風車(ムーラン・ルージュ)』(1952年)や映画『悲しみよこんにちは』(1958年)など、さまざまな映画の音楽を手掛け、1962年からはパリ・オペラ座の音楽監督を務めた名音楽家だ。

しかし、オーリックは「音楽は映像よりも勝ってはいけない」という考えのもと、映画音楽を制作しているため、本作の音楽は全体的に地味なものになっている。とはいえ、そこはオーリック。サウンドトラックには、物語に寄り添うような味わい深いスコアが並んでいる。

例えば、本作のメインテーマは、金管楽器によるファンファーレが印象的で、本作の華やかなトーンを見事に表現している。

一方、ジョーがアンの部屋で眠りにつくシーンで流れる「The Sleeping Princess」は、静かな木管楽器の音色が印象的で、眠るアンの可愛らしさを際立たせる。

また、「Roman Holiday Suite」は、気だるい金管楽器の音色に、どこかトロピカルな打楽器の音色が合わさり、休日を楽しむジョーとアンにぴったりのスコアになっている。

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