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神がかった面白さ…『SHOGUN 将軍』が海外と日本の評価を“両取り”できたワケとは? 考察&評価。最高の神回は?

text by 寺島武志

ハリウッドの制作陣が名優・真田広之をプロデュース/主演に迎えておくる時代劇『SHOGUN 将軍』(Disney+で配信中)が最終話を迎えた。今回は、アメリカの大手レビューサイトが異例の高評価を与えたことでも注目を与えた本作のレビューをお届けする。(文・寺島武志)【あらすじ キャスト 考察 解説 評価 レビュー】

原作は1975年に発表されたイギリスの小説

© 2024 Disney and its related entities ディズニープラスの「スター」で独占配信中
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本作は、徳川家康にインスパイアされた武将・吉井虎永を主人公として、1975年に発表された、イギリスの作家ジェームズ・クラベルの小説『将軍』を原作に、1980年、アメリカのテレビ局・NBCで制作されたドラマのリメイク版といえる作品だ。この作品は映画として再編集され、劇場上映されたほか、日本ではテレビでも放送された。

前作でも、三船敏郎、島田陽子、フランキー堺、金子信雄、目黒祐樹といった、一流俳優を揃え、オランダ商船の乗組員である主人公のイギリス人航海士ジョン・ブラックソーンが日本に漂着し、自国とは全く違う風習に戸惑いながらも、吉井虎長らの武将やキリスト教宣教師らなどと関わり、政治的に激動する日本で生きていく様を描いている。

実在したイギリス人ウィリアム・アダムスをモデルにしているが、内容は実在の人物を架空の人名に置き換えたフィクションである。

まずは、登場人物のキャラクターと、そのモデルを整理しておきたい。

・ジョン・ブラックソーン(日本に座礁した英国人航海士)=ウィリアム・アダムス(三浦按針)(演:コスモ・ジャーヴィス)
・吉井虎長(「五大老」でありながらも、窮地に立たされる武将)=徳川家康(演:真田広之)
・吉井長門(虎長の次男)=松平忠吉(演:倉悠貴)
・戸田鞠子(虎長に仕える通詞にして広勝の妻)=細川ガラシャ(演:アンナ・サワイ)
・明智仁斎(鞠子の父)=明智光秀(演:ユタカ・タケウチ)
・戸田文太郎広勝(戦上手の豪傑にしてガラシャの夫)=細川忠興(演:阿部進之介)
・戸田広松(広勝の父で虎長に忠実な家臣)=細川藤孝(演:西岡徳馬)
・樫木藪重(虎長の家臣だが、忠誠心に欠ける)=本多正信(演:浅野忠信)
・樫木央海(藪重の甥)=本多正純(演:金井浩人)
・石堂和成(虎長と覇権争いをする武将)=石田三成(演:平岳大)
・落葉の方(亡き秀吉の子を産んだ側室)=淀殿(演:二階堂ふみ)

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