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人間の脆さを感じさせるメル・ギブソンの演技ー配役の魅力

メル・ギブソン
メルギブソンGetty Images

シャマランは、『シックス・センス』のブルース・ウィリスしかり、『ハプニング』(2008年)のマーク・ウォールバーグしかり、強い父性を感じさせる役者を主人公に据えることが多い。

それは本作の主人公を演じるメル・ギブソンも例外ではないだろう。彼は本作で、一家の主人でありながらも、過去の辛い経験から心に深い傷を負ってしまった男を繊細に熱演。身振りや表情ひとつで感情の移り変わりを表現する演技は白眉。

元々は『リーサルウェポン』など、アクション俳優としてキャリアを築き上げた俳優ではあるが、90年代後半から2000年代前半にかけて、作家性の強い作品に立て続けに出演。本作ではアクション俳優から演技派へと完全に脱皮した姿がみられる。

なお、ギブソンは本作の撮影時、演技が不自然であるとシャマランから度々罵倒され、演技への自信を失ってしまったという。彼は本作の撮影をきっかけに、徐々に彼の関心は監督や制作といった裏方に移っていくことになる。

ギブソン以外にも、メリル役のホアキン・フェニックスも滋味あふれる演技を披露。

モーガン役のロリー・カルキン(マコーレー・カルキンの弟)やボー役のアビゲイル・ブレスリンも子役ながらギブソンに引けを取らない演技を見せているほか、事故で妻を死なせてしまった獣医レイ役としてシャマラン自身も出演しており、わずかな出演シーンながら、強烈なインパクトを残している。

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