石毛翔弥が強く影響を受けた存在は
―――石毛さんご自身がアルベルトに共感されることはありますか?
「僕自身はアルベルトのように、『何かを学ぶことは害悪だ』とは思わないです。だけど、自分が好きだった物事に対して蓋をしてしまう彼の精神状況は、自分もかつて味わったことがあるので共感しますね」
―――不躾な質問になりますが、石毛さんが葛藤する時期に陥られたときは、その好きだったもののことは、完全にシャットアウトされていたのですか?
「全く触れなかったです。今まで普通にできていたことが、これはなんの意味があるんだ、いやもう全く無意味だって状況にまでいくのは僕自身あったので、どちらかというとアルベルトよりはオクジーに近いかもしれない。もう恐怖ですよね」
―――24話では、幼少期のアルベルトに、強い影響を及ぼす人物が登場します。振り返ってみて、どう思われました?
「当時のアルベルトにとって、自分が強く肯定された出来事ですよね。僕はこの『チ。』という作品は、“出会い”もひとつの強いテーマだと思っているんですが、アルベルトの出会いもその後の結果も含めてひとつの運命というか、“出会いの妙”だなと思います」
―――石毛さんご自身が声優としてお仕事をされている中で、強い影響を受けた方はいらっしゃいますか?
「僕自身で言うと、声優の櫻井孝宏さんですね。僕が何か迷ってる時にそっと肯定してくれる方なので、本当に必要な時にこちらの心情を察して一言添えてくれる、それがすごく僕にとって安心するというか。それこそ幼少期アルベルトの関係に近いんですかね」