どこまで実写化?何シーズン必要?Netflix実写版『ONE PIECE』原作の壮大な物語を完全映像化する方法とは?
Netflixで配信中の実写版『ONE PIECE』。アニメや漫画の実写化として成功だと言われる本作は、世界中から多大な注目を集めた。しかし原作のあまりの壮大さに、実写版がどのように完結を迎えるのか、またはシリーズ断続への疑問の声も上がっている。今回はScreen Rantを参考に、その詳細を確認していく。
シーズン1で描かれた「イースト・ブルー編」
原作に追いつくにはあと15年はかかる!?
漫画やアニメ作品の実写化は、大抵の場合、アニメや漫画でしか表現できない内容を無理に実写で表現しようと試みることで、CG技術を多用する。それにより、実写化された登場キャラクターが現実離れした動きを見せることに、違和感を感じてしまうことが多々ある。
根本のストーリーさえ変化し、原作とは似ても似つかない作品になる場合すらある。
その結果、作品の“実写化”とは、原作のファンを落胆させる可能性が高いというイメージが付き、視聴を避ける方も少なくない。
しかし8月31日よりNetflixで配信をスタートさせた実写版『ONE PIECE』シーズン1は、そんなアニメや漫画作品の実写化の呪縛を打ち破る。
原作の内容を忠実に再現し、原作者である尾田栄一郎の物語に、実写化ならではのユニークさを足して表現した。
そんな実写版『ONE PIECE』シーズン1で描かれたのは、まだ原作序盤の「イースト・ブルー編」のみ。主人公ルフィ率いる「麦わらの一味」が、「偉大なる航路(グランドライン)」に漕ぎ出すまでの物語だ。
シーズン1の内容は、原作漫画『ONE PIECE』のおよそ90章までの範囲をカバーしたに過ぎない。原作は現在1,090話程からなり、物語は未だ完結していない。
つまり、実写版『ONE PIECE』は物語完結までに、まだ1,000話以上をカバーする必要があるということだ。
このまま1シーズン90話をカバーすると仮定すると、漫画『ONE PIECE』の現在のストーリーに追いつくためには、あと11シーズンという計算になる。
さらに、原作『ONE PIECE』があと何話で完結するかは未だ不明。もし、漫画が1,500話程で完結すると仮定すると、実写版『ONE PIECE』は全話を脚色するのに14シーズン程必要となる。
ここで考えなければいけない内容は、大きな予算を使用する壮大なドラマシリーズは、長期間継続できないということである。
例えば、長年にわたり世界のファンを魅了する、人気ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』(2011〜)は、8シーズンの物語を描くのに8年を要した。
さらに、通常のテレビドラマやシチュエーション・コメディは何十シーズンも継続することが可能だが、『ゲーム・オブ・スローンズ』のような大きな予算が必要となる作品は、シーズンを継続すればする程、最終的な費用が膨大となる。
そのため、世界で最も人気のあるドラマシリーズだった『ゲーム・オブ・スローンズ』は、何十シーズンも続くと思われたが、「わずか」8シーズンで終了した。
同様に人気ドラマである『ウォーキング・デッド』(2010〜)は、常に高い視聴率を誇り、今でもスピンオフが続いているが、メインのシリーズは11 シーズンで終了した。
また、漫画でルフィ達の物語が始まってから『ONE PIECE』上の世界では2年しか経過していない。登場人物の年齢があまり変化していないことも重要な点となる。
作中の時間の流れとはお構いなしに現実の時間は進んでしまうため、原作をすべて実写化するとなると、出演キャストは番組終了までに15歳も年を取ることになる。
このように、麦わらの一味の冒険を全て実写版で表現することがいかに困難かが分かる。
実写版『ONE PIECE』を原作通りに進め、終了するためには、漫画の内容を可能な限り圧縮し、シーズンごとに漫画のおよそ100話分を脚色し続けることとなる。
本作のシーズン1は非常に力強いスタートとなったが、今後どのようにその物語が続いていくのかは未知数である。
【関連記事】
「面白いけど素直におすすめできない」相撲芸人・あかつが語るドラマ『サンクチュアリ』の凄さと違和感とは? 独占インタビュー
最も再現度が高かったキャラは? 原作内容との違いは? Netflix実写版『ワンピース』徹底考察&解説。忖度なしガチ評価
超面白いのに賛否両論…そのワケは? 映画『MEG ザ・モンスター2』考察&評価。1よりもひどい? 忖度なしガチレビュー