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『天国と地獄』【ネタバレあり】あらすじ

権藤金吾役の三船敏郎【Getty Images】
三船敏郎Getty Images

権藤は犯人の要求を無視しようとするが、そんな権藤を見かねた秘書は、他の重役の方へ寝返る。これにより権藤は身代金の支払いを決意する。

犯人は権藤に、厚さ7センチ以下のカバンに現金を入れ、特急第二こだまに乗ることを指定する。捜査チームは、犯人がカバンを焼却処分した際に、ピンク色の煙が出る仕掛けを施すことしかできなかった。権藤は3,000万円が入ったカバンを抱えてこだまに乗り込んだが、車内に進一の姿はない。

すると犯人から電話がかかり、車内の洗面所の窓からカバンを投げろと指示される。その後、進一は無事に解放されるが、予想外の手口によって犯人は逃げ、金も持ち去られてしまうのだった。

刑事たちは進一の証言や、電話の録音などのわずかな情報を頼りに捜査を進め、進一が監禁されていた場所を見つけるが、そこで共犯者と思われる男女2人がヘロイン中毒で死亡していた。2人の死が主犯による口封じであることを考えた刑事の戸倉は、共犯者が死亡したことは伏せ、身代金の札が使われたという偽の情報をマスコミを使って世間に流す。

このニュースを見て動揺した犯人は、身代金を受け渡す際に使用されたカバンを焼却処分するが、ピンク色の煙が立ち上っているところを純が目撃する。これにより、犯人は竹内銀次郎という男であることが特定された。

しかし確実に竹内を逮捕するために、戸倉は死んだ男女の筆跡で竹内に手紙を送りつけると、案の定もう一度ヘロインで共犯者を殺そうとした竹内は、他の麻薬中毒者を使って、どのくらいで人を殺せるのかを実験したのちに共犯者の男女を殺しにやってきたところで逮捕される。

こうして事件は解決したものの、権藤は豪邸を失う。竹内は死刑が確定。だが、竹内は権藤に面会を求めた。権藤は竹内に自分は地位を失い、新たに小さな会社を立ち上げたことを話す。

すると竹内は権藤の立派な屋敷が天国のように見え、自分のいた劣悪な環境が地獄であるように思えたと話した。しかし竹内は突然、死刑も地獄も怖くないとわめき散らし、暴れ出した。刑務官に取り押さえられた竹内と、権藤の間にはシャッターが下ろされた。

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