『オーメン』シリーズはどこが特別なのか
『オーメン』シリーズもまた“666という呪われた数字のあざを持つ子供”という存在を前面に出してシリーズ展開された。
他方『オーメン』シリーズは1970年代前後に一世を風靡した“オカルト映画(反キリスト的映画)”の系譜に連ならなる一本でもある。
1968年のロマン・ポランスキー監督の『ローズマリーの赤ちゃん』辺りから始まり、1974年にはウィリアム・フリードキンによるエポックメイキングな一作『エクソシスト』が公開され、ブームは本格化した。
その後、『エクソシスト』は制作陣を変えてシリーズ化。続き物と言える3作目までと、プリクエル(前日談)の4作目『エクソシスト・ビギニング』(2004)があり、さらに昨年には1作目からの直接の続編というコンセプトの『エクソシスト信じる者』(2023)が公開された。
この『エクソシスト信じる者』だが、ここから始まって3部作にするという構想がある。とはいえ『エクソシスト信じる者』は批評・興行の両面で北米地区だけでなく海外市場でも苦戦してしまったので今後の情勢は不透明な部分がある。
『オーメン』の1作目は1976年の公開なのでブームの中では後発組と言えるが、恐怖(悪と言い換えてもいいだろう)の根源が“666という呪われた数字のあざを持つ子供”というコンセプトが新鮮で、結果としてこのジャンルを代表するシリーズに成長した。
その後の『オーメン2/ダミアン』(1979)と『オーメン/最後の闘争』(1981)の3作目までは明確に続いたストーリーを持ち、続くTV映画(日本では劇場公開された)の『オーメン4』(1991)、リメイク版(2006)、ドラマ版(1976)と“オーメン”シリーズ(=ブランド)は50年近くに渡って映像化され続けている。