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酒とドラッグに溺れる日々をおくるジョン・レノン

『ジョン・レノン 失われた週末』
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ロサンゼルスでのメイは、生き別れの状態だったジョンの息子・ジュリアンとの再会の場を設けるなど、真摯に自らの職務を遂行し、エルトン・ジョンとジョイントした『マインド・ゲームス』も大ヒット。さらに、デヴィッド・ボウイやハリー・ニルソン、ミック・ジャガーといったロック界の大物とのセッション、リンゴ・スターやポール・マッカートニーとの再会など、ソロとして活動してきた中で最も充実した時期を過ごしている。

一方でジョンは、プライベートでは酒とドラッグに溺れる日々を送っていた。ヨーコとの息苦しい生活から解放されたことで、道を誤ってしまったのだ。そんなジョンに対し、メイが苦言を呈することもなかった。

そんな時期を「失われた」と形容されたのはなぜだろうか。ジョンは何を“失った”のか。ジョンに失ったものがあるとすれば、それはヨーコからの愛なのだろうか。

メイの証言では、ロス行きを勧めたのは他ならぬヨーコだったという。ヨーコの立場に立てば、もはや“制御不能”となったジョンを半ば見限り、その世話をメイに丸投げしたような印象も受ける。

作中には愛息ジュリアンも登場し、ロスで初対面することになった父ジョンとの思い出を振り返っている。その出来事がきっかけで、父子は定期的に会うようになり、ジュリアンにはクリスマスプレゼントとしてギターとドラムマシンを贈られ、ミュージシャンへの道を志すことになる。メイは間接的に、「ミュージシャン」ジュリアン・レノン誕生の立役者となっているのだ。それはストーリーの最終盤、2人が揃って登場し、ハグを交わすシーンからも見て取れる。

しかし、物事には始まりがあれば終わりもある。ドラッグに溺れ、治療が必要となったジョンは、ニューヨークに戻る決意をする。酒も断ち、音楽にもう一度真摯に向き合う。

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