鈴木亮平×宮沢氷魚が恋愛関係に。映画『エゴイスト』の見どころと上映日は? 第35回東京国際映画祭コンペティション部門紹介
第35回東京国際映画祭コンペティション部門作品紹介(1)
2022年10月24日(月)から11月2日(水)の10日間にかけて開催される第35回東京国際映画祭。今回は、同映画祭の花形であるコンペティション部門の出品作品の注目ポイントをご紹介。稲垣吾郎主演・今泉力哉監督最新作『窓辺にて』、鈴木亮平主演・松永大司監督作品『エゴイスト』ほか、注目作が目白押し。
コンペティション部門で上映される映画は15作品。日本映画は3本選出
映画祭の花形であるコンペティション部門には、全1695本もの応募作品から厳選された、珠玉の15作品がエントリー。今年は、今泉力哉監督作品『窓辺にて』、松永大司監督作品『エゴイスト』、福永壮志監督作品『山女』と3本の日本映画が入選を果たした。
日本映画以外にも、『ビフォア・ザ・レイン』(1994)でヴェネチア映画祭金獅子賞を受賞したミルチェ・マンチェフスキの新作や、『マジカルガール』(1914)でサンセバスチャン国際映画祭最優秀作品賞を受賞したスペインの俊英カルロス・ベルムトの最新作など、注目度の高い作品がラインナップ。各作品の詳しい見どころは、続くページからじっくり解説する。
コンペティション部門の審査員長はジュリー・テイモア
コンペティション部門の審査委員長に抜擢されたのは、舞台「ライオンキング」(1997)の演出や、映画『タイタス』(99)『フリーダ』(2002)、『アクロス・ザ・ユニバース』(2007)、『グロリアス 世界を動かした女たち』(2020)などの作品で知られる、舞台演出家・映画監督のジュリー・テイモア。昨年のイザベル・ユペールに続き、2年連続で女性が審査委員長をつとめる。
他の審査員も個性豊かな顔ぶればかり。メンバーは、2019年に映画『新聞記者』で主演を務めた、韓国出身の女優・シム・ウンギョン。アートと娯楽を融合させた特異な作風で知られるポルトガルの映画作家、ジョアン・ペドロ・ロドリゲス。北野武監督作品の撮影監督としてお馴染み、カメラマンの柳島克己。シネマテーク・フランセーズ、カンヌ国際映画祭の理事をつとめた経験を持つ、元アンスティチュ・フランセ館長のマリークリスティーヌ・ドゥ・ナヴァセル。以上の4名である。
独裁政権下のチリを舞台にしたエモーショナルなスリラー
『1976』
アジアンプレミア上映
製作国:チリ/アルゼンチン/カタール
監督:マヌエラ・マルテッリ
キャスト:アリン・クーペンヘイム、ニコラス・セプルベダ、ウーゴ・メディナ
【作品内容】
独裁者・ピノチェトが権力を握るチリ。主婦のカルメンは、司祭から一人の若い男をかくまうように依頼され、了承するのだが…。独裁政権下のチリを舞台に、平凡な主婦が慣れ親しんだ生活から離れ、未知の領域に足を踏み入れる。
メガホンをとったのは、1983年生まれ、チリ出身の女優・映画監督のマヌエラ・マルテッリ。彼女の長編デビュー作となった『1976』は、2022年のカンヌ国際映画祭の監督週間部門で上映され、好評を博した。
新鋭女性監督が描く、独裁政権下の恐怖と主婦のスリリングな冒険。数多の国際映画祭で名を轟かせた作品が、満を持して東京国際映画祭のスクリーンでお披露目となる。
【上映日時】
10/26(水)21:30- ヒューマントラストシネマ有楽町
10/28(金)18:30- 丸の内 TOEI1
10/31(月)10:35- TOHOシネマズ シャンテ
サスペンス映画のフォーマットに政治色を加えた野心作
『アシュカル』
アジアンプレミア上映
製作国:チュニジア/フランス
監督:ユセフ・チェビ
キャスト:アリン・クーペンヘイム、ニコラス・セプルベダ、ウーゴ・メディナ
【作品内容】
チュニジア共和国の首都・チュニスの郊外。作業が中断されて未整理のままの建設現場で、黒焦げの死体が連続して発見された。その頃チュニスでは、民主化運動が盛り上がりを見せている。2人の刑事は捜査を始めるのだが…。
メガホンをとったのは、1984年生まれのユセフ・チェビ。2021年にチュニスを舞台にしたスリラー映画『Black Medusa(原題)』の制作に携わり、本作が満を持しての監督デビュー作となる。人体自然発火をモチーフにした政治色の強いスリラーという難しい題材を、いかなる手腕で描くのか。注目が集まる。
【上映日時】
10/25(木) 19:00- ヒューマントラストシネマ有楽町
10/29(土) 10:00- 丸の内 TOEI1
11/01(火) 14:15- TOHOシネマズ シャンテ
鈴木亮平×宮沢氷魚共演。男性2人の純愛を描く注目作
『エゴイスト』
ワールドプレミア上映
製作国:日本
監督:松永大司
キャスト:鈴木亮平、宮沢氷魚、阿川佐和子
【作品内容】
2020年に逝去したエッセイストの高山真の自伝的小説を、トランスジェンダーのアーティストに密着したドキュメンタリー『ピュ〜ぴる』(2009)で知られる松永大司が映画化。編集者である主人公・浩輔(鈴木亮平)とパーソナルトレーナーの龍太(宮沢氷魚)との濃密な関係を描き、愛とエゴの間で揺れ動く感情を活写する。
メガホンをとった松永大司は、1974年生まれの日本の映画監督、脚本家、俳優。記録映画『ピュ〜ぴる』で話題を集めた後、山本政志、橋口亮輔といった個性派監督のもとで助監督経験を積み、劇映画にも進出。
故・手塚治虫が亡くなる直前に構想していた物語を基に『トイレのピエタ』(2015」)を監督し、日本映画監督協会新人賞を受賞するなど、高く評価された。東京国際映画祭のコンペティション部門に選出されるのは今作が初となる。
【上映日時】
10/27(木) 13:30- 丸の内ピカデリー2
10/30(日) 18:00- 丸の内 TOEI1
11/01(火) 21:00- ヒューマントラストシネマ有楽町
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