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『トレインスポッティング』のあらすじ【ネタバレあり】

ダニー・ボイル【Getty Images】
監督のダニー・ボイル【Getty Images】

 想像通り上手くいくことのない現実に憤りを感じ、2人は再び麻薬に手を伸ばす。さらに「普通」だったトミーも、レントンが自家製ポルノビデオを借りたことをきっかけに恋人と別れ、同じく麻薬を使い始める。

 ある日、レントンたちが麻薬に没頭している間に、仲間の赤ん坊が薬物の影響で死亡する。この出来事をきっかけに、レントン、シック・ボーイ、スパッドはさらに薬物にのめり込み、万引きなどの犯罪にもためらいがなくなる。

 レントンとスパッドは万引きが原因で警察に逮捕され、レントンは薬物使用に関して執行猶予つきの判決を受けるが、スパッドは6か月の実刑判決を言い渡される。

 判決を受けた後、レントンは自ら薬物依存の治療を試みるものの、離脱症状に耐えられず再び薬物に手を伸ばす。その結果、意識不明の状態に陥り、病院に搬送される。

 レントンの両親は彼の薬物中毒を治療するため、部屋に鍵をかけて閉じ込める強硬手段を取ることにした。レントンの離脱症状は激しく、過去の辛い経験やエイズへの恐怖に起因する幻覚に苦しむ。地獄のような経験の果てに、ついに薬物依存の克服に無事成功する。

 レントンは当時猛威を振るっていたHIVの検査を受ける。結果は陰性であった。一方、途中から薬物を使用し始めたトミーは日を追うごとに依存を強めていき、検査の結果、HIVに感染していることが判明した。

 麻薬を辞めたレントンは、刺激的な日常が消え、生活が暗くなっていることに気づいた。以前知り合ったダイアンから「時代に取り残される」と言われショックを受けたレントンは、1人ロンドンへ移住し、不動産賃貸の会社に勤め始める。好景気だったこともありレントンは順調に仕事をこなし、普通の生活を手に入れ、満足感を感じていた。

 そんなある日、強盗犯として指名手配中のベグビーがレントンの元を訪ねる。ベグビーは警察に追われているため迂闊に外出できず、レントンがベグビーの代わりに食料やタバコを買い出しに行く同居生活が始まる。同時に、シック・ボーイもレントンの部屋に同居し始める。

 働かずに経済的に困窮する彼らはレントンの持ち物を売却し現金を手に入れるため、部屋にあったテレビをレンタルという形で手放す。

 この行動に堪忍袋の緒が切れたレントンは、雇用主が貸し出し用の住居を探している物件に彼らを無許可で住まわせることで、彼らと距離を置こうとする。しかしそのことが会社にバレ、結果としてレントンは解雇される。この件に加え、HIVに感染していたトミーが死亡する。葬式に出席するため、レントンは地元のエディンバラに戻る。

 トミーの葬式が終わると、レントンはベグビー、シック・ボーイ、スパッドの3人に儲け話を持ち掛けられる。3人は麻薬の転売で儲けようとしており、およそ2キログラムという大量の麻薬を買うための資金を必要としていた。レントンはその計画に乗り、お金を出し、誘った3人と共にロンドンへ向かい、麻薬カルテルにクスリを売却して大金を得る。

 4人は取引成功を祝うためパブに行き、危険を潜り抜け、大金を手にした喜びに浸る。しかしベグビーはその場でいつも通り喧嘩騒ぎを起こす。その後4人はホテルで一緒に眠っていたが、朝方1人目覚めたレントンは、取引で稼いだお金を持ち逃げする。彼は、今度こそ、普通の生活を送ることができるのだろうか。彼の表情を映し出して、映画は幕を閉じる。

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