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PG12指定のワケは? “究極の反戦アニメーション”を深掘り解説。映画『ユニコーン・ウォーズ』徹底考察&評価レビュー

text by 寺島武志

『サイコノータス 忘れられたこどもたち』(2015)で知られるアルベルト・バスケス監督の長編2作目にして最新作『ユニコーン・ウォーズ』が公開中だ。とあるディストピアで繰り広げられる戦いとは? 異色のアニメーション映画の魅力を紐解くレビューをお届けする。(文・寺島武志)<あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー>

スペイン版アカデミー賞を席巻した傑作アニメーション

©︎2022 Unicorn Wars
©︎2022 Unicorn Wars

 本作は、イラストレーターやバンド活動を経て、大人向け長編アニメーション作品を手掛けるようになったアルベルト・バスケスが脚本・監督を務めた戦争映画だ。

 『サイコノータス 忘れられたこどもたち』(2015)に次ぐ、長編2作目となる本作でバスケスは、スペイン版アカデミー賞ともいえる、2023年の第37回ゴヤ賞で最優秀アニメーション映画賞を受賞している。

 このプロットは、テディベアとユニコーンとの間の紛争を軸に、かつてはテディベアが暮らしていたものの、凶暴なユニコーンが乗っ取り、そこに生息する魔法の森の奪還のために派遣された2匹のテディベアの双子、ゴルディとアスリンが主人公だ。

 テディベアのアスリンは双子の兄のゴルディと軍の新兵訓練所で、暴君的な軍曹の下で、屈辱にまみれた特訓の日々を過ごしていた。憎きユニコーンを絶滅に追い込むためだ。

 ある日、森から帰ってこない部隊を捜すため、捜索に参加したアスリンたちはその森で危険な生物や無残な姿となった隊員たちを目にする。

 彼らの聖書に記された「最後のユニコーンの血を飲む者は、美しく永遠の存在になる」という言葉を信じ、野生のユニコーンが生息する深い森へと進軍していくのだが、森の中で起こる残酷な出来事の行く末には、悲惨で結末が待ち受けていた…。

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