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クイズ作家が選ぶ、IQ・知能指数が高いキャラを描いた作品(1)知能が高すぎて測定不能…無敵のサイコパスは?

text by 近藤仁美

高知能のキャラクターは、いまや映画・ドラマの定番ともいえる。本コラムでは、数ある高知能キャラのなかでも、特に魅力的な面々が登場する作品を5本セレクト。めくるめく頭脳戦やほろりとさせる人間関係など、作品の見どころと併せて紹介する。第1回。(文・近藤仁美)

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心理戦の果てにあるものは? サイコ・スリラーの名作

『羊たちの沈黙』(1991年)

映画『羊たちの沈黙』のハンニバル・レクター(アンソニー・ホプキンス)
映画羊たちの沈黙のハンニバルレクターアンソニーホプキンスGetty Images

監督:ジョナサン・デミ
脚本:テッド・タリー
出演:ジョディ・フォスター、アンソニー・ホプキンス、スコット・グレン、テッド・レヴィン他

【作品内容】

 優秀なFBI訓練生・クラリスは、女性を誘拐・殺害し皮を剥ぐ、通称“バッファロー・ビル”による連続殺人事件の捜査に任命される。彼女に課せられた任務は、並外れた知能をもつ精神科医でありながら、複数の患者を殺して食べた“ハンニバル・レクター”博士の協力を得、事件の犯人に迫ること。

 クラリスは、少しずつレクターから事件の手がかりを引き出していくも、その代償は自身の過去を彼に語ることだった。そして、“バッファロー・ビル”による新たな誘拐事件が起こる…。

【注目ポイント】

『或る夜の出来事』(1934)『カッコーの巣の上で』(1975)に続き、アメリカ・アカデミー賞の主要5部門を受賞した作品。本作は、ハンニバル・レクター博士シリーズ全4作のうち、第1作目にあたる。

 連続殺人犯でありながらどこか紳士的なレクター博士を演じるのは、イギリス出身の俳優アンソニー・ホプキンス。新米捜査官を見守るかのようなヒントの出し方と、容赦なく警官を殺害して脱獄する二面性が、ひとりの人間の行動として説得力あるかたちで成立している様が興味深い。なお、ホプキンスは本作でアカデミー主演男優賞を受賞している。

 作中で、レクターは「知能が高すぎて標準テストは通用しない」と評される。その知能を駆使し、獄中にいながらにして相手の身なりから生い立ちを推測し、犯人の心理分析まで行う。そんな彼と奇妙な交流を続けるうち、少しずつ影響を受けていくクラリスの危うさも必見。

【著者プロフィール:近藤仁美】

クイズ作家。国際クイズ連盟日本支部長。株式会社凰プランニング代表取締役。これまでに、『高校生クイズ』『せっかち勉強~知らないとヤバい事~』等のテレビ番組の他、各種メディア・イベントなどにクイズ・雑学を提供してきた。2023年、「Trivia Hall ofFame(トリビアの殿堂)」殿堂入り。著書に『人に話したくなるほど面白い! 教養になる超雑学』(永岡書店)など。

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【了】

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