賛否両論…実写化でキャラクターを改変した映画(1)モヤモヤした原作ファンも…議論を呼んだ2つの変更点とは?
漫画やアニメの実写化映画では、PC(ポリティカル・コレクトネス)の観点などから、性別が変わったキャラクターが登場する場合がある。とはいえ、こういった試みは時に「原作への冒涜」という批判を受けることも。そこで今回は実写化で登場人物の性別が男性から女性になった映画5本をセレクト。世間の反応もあわせて紹介する。第1回。(文:編集部)
—————————————-
オリジナルストーリーであるとはいえ納得できないファンも
『黒執事』(2014)
監督:大谷健太郎、さとうけいいち
脚本:黒岩勉
原作:枢やな『黒執事』
出演:水嶋ヒロ、剛力彩芽、優香、山本美月、丸山智己、大野拓朗、栗原類、城田優、安田顕、伊武雅刀、岸谷五朗
【作品内容】
巨大企業ファントムの若き総帥、幻蜂清玄(剛力彩芽)には、2つの顔があった。1つは、ある事件をきっかけに本名の「汐璃」を捨て、「男装の令嬢」として暮らしていること。もう1つは、世界統一を目標とする女王の密命で、難事件を解決する諜報員として活動していることだ。
ある日、清玄は、任務と財産をある復讐に利用するため、美しくも冷酷な“悪魔の執事”セバスチャンと契約。セバスチャンと2人で連続殺人事件と謎の少女失踪事件の解決に奔走するが…。
【注目ポイント】
テレビアニメや舞台にもなった枢やなの人気コミックを実写化した作品。監督はアニメーターのさとうけいいちと『NANA』(2005)の大谷健太郎で、水嶋ヒロの3年ぶりの俳優復帰作としても知られる。
本作の改変ポイントは、主人公・幻蜂清玄の性別だ。原作では男性であるシエル・ファントムハイヴ伯爵が、作中では剛力彩芽が演じている。加えて、舞台も19世紀のイギリスから2020年の日本に変更。公開時は原作ファンを中心に少なからぬ批判を集めた。
なお、原作者の枢は、本作の大幅改変を承認しており、設定も「オリジナルストーリー」という位置づけになっている。
とはいえ、原作者の公認が取れた=原作ファンの公認が取れたというわけではない。安易な改変は、やはりできれば避けたいところだ。
(文・編集部)
【関連記事】
賛否両論…実写化で改変されたキャラクター【映画編】(2)
賛否両論…実写化で改変されたキャラクター【映画編】(3)
賛否両論…実写化で改変されたキャラクター【映画編】(全紹介)