今年のドラマ「ベスト主演俳優」は? 最も演技が良かった男(2)役のふり幅が広すぎる…芝居に宿る“凄み”とは
text by 菜本かな
ここ数年の民放ドラマの勢いは凄い。各局がこぞってヒット作を生み出そうとしている熱意が画面越しに伝わり、それに伴い役者陣のパフォーマンスもより充実度を増しているように思える。そこで今回は、2024年のドラマでとりわけ素晴らしい演技を披露した“主演俳優”を5人セレクト。それぞれの芝居の魅力を紹介する。第2回。(文・菜本かな)
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カメレオン俳優ぶりに磨きがかかる
田中圭『おっさんずラブ-リターンズ-』(テレビ朝日系)
“あの”『おっさんずラブ』の春田(田中圭)にまた会える! ということで、今年は年始からワクワクが止まらなかった。
『あなたの番です』(日本テレビ系)でも演じていたが、春田のような子犬系男子というのは、俳優・田中圭の真骨頂。恋人・牧(林遣都)のことが大好きで、その愛を全身全霊をかけて体現する。たとえば、牧に久しぶりに再会したときには、「まきぃ〜」と言いながら、牧の胸に全力ダイブ! その姿は、「お尻にしっぽついてないよね…?」と目をこすってしまうほどにワンコだった。
ただ、可愛いだけで終わらないのが、田中の俳優としての凄みだ。たとえば、現在放送中のドラマ『わたしの宝物』(フジテレビ系)で演じた宏樹のようなモラハラ夫も、演じこなせてしまう。そして、相反する役柄なのにも関わらず、どちらも「田中圭にしかできない役柄だなぁ」と思わせるのがすごい。
来年は、どのような一面を見せてくれるのだろうか。振り幅が広すぎる俳優・田中圭から、目が離せない。
(文・菜本かな)
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