2024年の民放ドラマ、脇で光った助演男優ベストは?(3)桁違いのオーラ…豪華キャストの中でも際立つ演技力
2024年も数々の名作が生まれた。中でも、ここ数年の民放ドラマの勢いは凄い。各局がこぞってヒット作を生み出そうとしている熱意が画面越しに伝わり、それに伴い役者陣のパフォーマンスもより充実しているように思える。そこで今回は、2024年のドラマで印象を残した“助演俳優”を5人セレクトして紹介する。第3回。(文・まっつ)
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主役級キャスト揃い踏みの中で際立つ異色のオーラ
清水尋也『海に眠るダイヤモンド』
日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』(TBS系)は秋クールを代表する作品だ。端島を舞台とするテーマ設定、映像の美しさ、どれを取っても「日曜劇場」という冠にふさわしい。加えて、俳優陣が他作品と比べて飛び抜けて豪華だ。主演の神木隆之介に加え、杉咲花、土屋太鳳、斎藤工といった普通なら主演級の俳優陣が脇を固めている。
そんな豪華な俳優陣の中でも異色の存在感を放つのが清水尋也だ。186センチという高身長に加え、特徴的な顔立ちは一度見たら強く印象に残る。その清水が演じているのが主人公・鉄平(神木隆之介)の幼なじみで、鷹羽鉱業の幹部職員の息子である賢将だ。
スーツを着てハットを被る姿は美しく、よく似合うが、その一方で島の中では“浮いた”存在である。清水の光を失ったような瞳を見ていると、否が応でも鉱員たちと溝が深まっていく様子が見て取れる。温かな家庭で育ち、誰にでも好かれる鉄平に対し、言葉こそないが、羨むような視線は思わず感情移入して胸が苦しくなってしまった。
賢将の苦しい部分も鮮やかに表現していたからこそ、第6話で百合子(土屋太鳳)へのプロポーズは一層胸に来るものがある。
「私の人生、手強いわよ」という百合子のセリフも見事だが、それを受けて立つように「俺はタフだよ。百合子がいれば」と返す。人間らしい弱さも感じさせながら、好きな人のために前進する男のたくましさを清水は見下ろす優しい眼差しで表しており、同作の名シーンのひとつを生み出した。
(文・まっつ)
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