史上最高の『相棒』スペシャル回は? 最も面白い神回(2)好きな話ランキングで1位を獲得した大傑作とは?
ドラマ『相棒』が元日SPをやっている事を知っているだろうか。『相棒』ではSeason4から現在のseason23まで19年以上正月の夜に放送されている。2時間以上の放送尺、正月の特別枠という事で例年気合いが入った物語が展開されており、見応えのある作品も多い。今回はその中でも評価の高い5本とその見所を紹介しよう。第2回。(文・naoki)
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season10『ピエロ』(2012)
速水「窓際の天才にも分からない事があるんじゃないの?」
年末、オペラハウスへ証拠品の返却に向かう神戸尊。その中でキッズクラブの子供達を率いる怪しげなピエロを追い、子供達ともども人質にされてしまう。右京は神戸と連絡が取れなくなったことを怪訝に思い、彼が残した手掛かりをもとに事件解決に乗り出す。
神戸は子供達と脱出策を講じながら外へ情報を伝えるために奮闘し、右京はその情報を仲間と協力してキャッチしながら犯人の思惑を推理していく。
本作は当時『相棒』の好きな話ランキングで見事1位を獲得した傑作である。人質にされながらも、その時々でベストを尽くす秀才の神戸尊。僅かな手掛かりから犯人の行動を先読みする杉下右京の天才ぶり。離れ離れでも優秀な2人のコンビネーションが光った回だとも言える。
また余りにも純粋過ぎる動機をもった犯人である速水との頭脳戦や駆け引きも見どころだ。また、芹沢が撃たれた事で捜査を外れた伊丹と右京が1度限りどっぷり手を組む“相棒”の結成。そして神戸との交流で成長する少女等々…社会派の側面だけでなくこれまでの『相棒』の歴史が凝縮されており、人間ドラマとしても優れたものとなっている。
こちらを描いたのは『ウルトラマンシリーズ』や近年は小説家としても活躍している太田愛氏。太田氏はファンから神戸尊の育ての親と評されるほど彼を描くのが上手く、更に少年少女の成長物語を描く手腕にも定評がある。他にも太田氏は元日SPを複数手掛けその多くが面白いので是非ともお勧めしたい。
(文・naoki)
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