今、最も演技が上手い2世俳優は? 親を超える才能の持ち主(5)芝居の実力が凄い…次世代を担う逸材は?  

text by 編集部

親の才能を受け継ぎ、独自の特性を活かしつつ、努力をして俳優としてのポジションを確立している2世俳優たち。今回は、タレントを親に持ちながらも、自力で売れっ子になった俳優5人をセレクト。それぞれのキャリアを振り返りつつ、演技の魅力を深掘り解説する。第5回。(文・編集部)

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佐藤緋美

佐藤緋美
俳優の佐藤緋美。写真:宮城夏子

 映画『ケイコ 目を澄ませて』(2022)をはじめ、近年、話題作に立て続けに出演し、注目を集める佐藤緋美。独自の感性と確かな演技力で、次世代を担う俳優として期待されている。松居大悟監督の映画『#ハンド全力』(2020)では、振り切った演技を見せ、“和製ジム・キャリー”と評された。

 父親は俳優の浅野忠信、母親はミュージシャンのChara。さらに、姉・SUMIREもモデル、女優として活躍している。また2021年にはHIMI名義で「Sun is going down」をリリースするなど、アーティストとしても活躍する。

 2024年、西島秀俊が主演を務めた日曜劇場『さよならマエストロ~父と私のアッパシオナート~』(TBS系)では、天才チェリスト・羽野蓮を演じ、お茶の間での知名度も急上昇。普段から音楽に触れていた佐藤だが、作品について聞かれたインタビューでは、初めて演奏するチェロの練習は非常に難しかったと回顧。「しっかり弾かなければ…」と真剣に稽古をしていたと語っている。

 朝井リョウ原作の青春小説を映画化した『少女は卒業しない』(2023)では、軽音部に所属するオチャらけ者の青年を好演。ムードメーカーとしての顔と内なる葛藤を忍ばせるシリアスな表情の使い分けが何とも見事だった。また、クライマックスではソウルフルな歌声を披露し、観客の胸を震わせた。

 ハリウッド作品にも次々出演する浅野を父親に持つ佐藤の芝居には、父親譲りの自然体とスケールの大きさが感じられる。2022年に行われた「第31回日本映画批評大賞」では、見事、新人男優賞を受賞。佐藤緋美の今後の活動から目が離せない。

(文・編集部)

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