絶対に助からない…「世界の終わり」をテーマにした映画(4)結局人間がいちばんコワい…笑えて震える大傑作

text by 編集部

「もし明日世界が終わるとしたらどうする?」-。誰でも一度はそんな会話を交わしたことがあるだろう。その意味で、世界の終わりという究極の悲劇は、古今東西、人々の想像力の源泉になってきたのだ。そこで今回は、世界の終わりを描いた映画をセレクト。核戦争や小惑星の衝突など、バラエティに富んだ5つのシナリオを紹介する。第4回。(文・編集部)

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笑いの中に描かれた「滅亡より悲しい現実」

『ドント・ルック・アップ』(2021)

レオナルド・ディカプリオ

レオナルド・ディカプリオ【Getty Images】

監督:アダム・マッケイ
脚本:アダム・マッケイ
出演:レオナルド・ディカプリオ、メリル・ストリープ、ジョナ・ヒル、ロブ・モーガン、マーク・ライランス、タイラー・ペリー、ティモシー・シャラメ、ロブ・パールマン、アリアナ・グランデ、スコット・メスカディ、ヒメーシュ・パテル、メラニー・リンスキー、トメル・シスレー、ポール・ギルフォイル、ロバート・ジョイ、ケイト・ブランシェット、メリル・ストリープ、リーブ・シュレイバー、サラ・シルバーマン、クリス・エヴァンス

【作品内容】

ミシガン州立大学の天文学博士候補生ケイト・ディビアスキー(ジェニファー・ローレンス)は、すばる望遠鏡で木星軌道の内側に彗星を発見した。

天文学教授のランドール・ミンディ(レオナルド・ディカプリオ)は、この彗星が6ヶ月後に地球に衝突すると試算。衝突した場合、人類が絶滅する可能性があると結論した。

その後、NASAもこの結果を確認。ディビアスキーとミンディは惑星防衛調整室長テディ・オグルソープ博士の案内でホワイトハウスに調査結果を提出するが、大統領のジャニー・オーリアン(メリル・ストリープ)と息子で首席補佐官のジェイソン(ジョナ・ヒル)は無関心だった。

【注目ポイント】

2021年に公開されたNetflix映画。監督は『マネー・ショート 華麗なる大逆転』(2015)のアダム・マッケイで、キャストにはレオナルド・ディカプリオやメリル・ストリープなど、ハリウッドの大物たちが名を連ねている。

本作に描かれた恐怖は、地球滅亡そのものの恐怖ではなく、「登場人物が誰も地球滅亡を信じようとしない」恐怖だ。

地球に迫る彗星の存在を知り、警鐘を鳴らすケイトとランドール。しかし、2人の言葉は誰にも届かない。それどころか、大統領のジャニーは、地球滅亡を自らの選挙の道具にしてしまう。

分断が進み、あちこちで陰謀論がささやかれるアメリカ。本作の終末像は、現代のアメリカをもっとも忠実に表しているのかもしれない。

(文・編集部)

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【了】

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