もっとも衝撃的な結末のホラー映画は? 鳥肌モノのラスト(5)20年経っても新鮮…伝説のオチがもつ魅力とは?
F・W・ムルナウによるサイレントホラーの金字塔『吸血鬼ノスフェラトゥ』(1922)から、異色の「明るいホラー」として人気を博したアリ・アスター『ミッドサマー』(2019)に至るまで、映画史はこれまで数々の名作ホラーを生み出してきた。今回はその中でも、結末が衝撃的な作品をセレクト。内容と魅力を解説する。※この記事では物語の結末に触れています。第5回。(文・ニャンコ)
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どんでん返しホラーの金字塔
『シックス・センス』(1999)
監督:M・ナイト・シャマラン
脚本:M・ナイト・シャマラン
キャスト:ブルース・ウィリス、ハーレイ・ジョエル・オスメント、オリヴィア・ウィリアムズ、ドニー・ウォルバーグ、トニ・コレット、M・ナイト・シャマラン
【注目ポイント】
本作は、M・ナイト・シャマランの3本目の監督作品で、ブルース・ウィリス演じる心の傷を抱えた心理学者マルコムと、死者を見るという特異な能力を持つ少年コール(ハーレイ・ジョエル・オスメント)の物語。全世界で6億7200万ドルもの興行収入を上げ、日本でも大ヒット。M・ナイト・シャマランの出世作となった。
物語の終盤では、マルコムがコールの能力を信じ、彼が霊たちと向き合う手助けをする過程と同時にマルコムが妻アンナ(オリヴィア・ウィリアムズ)との関係を修復しようと奮闘するサマが描かれる
しかし、ラストで全てが一変する。
家路に着いたマルコムは、自身の結婚式のビデオを観ながら、ふと自分の左手に結婚指輪がないことに気づく。実は、映画冒頭で元患者ヴィンセント(ドニー・ウォルバーグ)に撃たれた際、彼は既に死んでいたのである。
マルコムは、コールが教えてくれた「死者は自分が見たいものしか見ない」という言葉を思い出し、自らが霊であることを受け入れる。そして、アンナに愛を告げ去ることで彼の魂は解放される。
本作は、単なるホラーではなく、人間関係や感情を深く掘り下げることで、ホラーというジャンルを超えた普遍的な魅力を持っている。公開当時は、ネタバレ厳禁の触れ込みで話題になった。衝撃のラストは公開から20年以上経った現在から見ても、未だなお鮮度を失っていない。
(文・ニャンコ)
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【了】