民放ドラマ「ベスト助演女優」は? 最も演技が良かった宝石(5)芝居が絶品…朝ドラの“もう一人の主人公”は?

text by 明日菜子

2024年も数々の名作が生まれた。中でも、ここ数年の民放ドラマの勢いは凄い。各局がこぞってヒット作を生み出そうとしている熱意が画面越しに伝わり、それに伴い役者陣のパフォーマンスもより充実しているように思える。そこで今回は、2024年のドラマで印象を残した“助演女優”を5人セレクトして紹介する。第5回。(文・明日菜子)

——————————

台詞回しと“間”の操り方が絶品

森田望智『虎に翼』(NHK総合)

森田 望智
森田 望智【公式Instagramより】

 2024年のドラマといえば、なんといっても連続テレビ小説『虎に翼』(NHK総合)。よねさん(土居志央梨)、涼子様(桜井ユキ)、梅子さん(平岩紙)、ヒャンちゃん(ハ・ヨンス)、玉ちゃん(羽瀬川なぎ)など、女子部関連だけでも錚々たるメンバーだが、真っ先に名前を挙げたくなるのは、森田望智が演じた花江ちゃん!

 婚姻制度の是非を熱く語る寅子(伊藤沙莉)に対して、「卒業したら、すぐ結婚してほしいって親が思う理由?子どもに幸せになってほしいからでしょお?」と首を傾げる花江のファーストシーンで心掴まれてしまった。

 森田望智といえば、その役ごとに変化する台詞回しと“間”の操り方が絶品で、彼女が演じる役そのものが作品全体に良いアクセントを与えている。

 今年は『作りたい女と食べたい女 シーズン2』(NHK総合)や『ザ・トラベルナース』(テレビ朝日)の続編、そして実写版『シティーハンター』(Netflix)のヒロイン・槇村香役でも大活躍。

 各作品で主要キャラクターを演じながらも、その世界観に溶け込むカメレオンっぷりで、同一人物だと気づいていない人も少なくなさそう。

 脚本の吉田恵里香曰く、花江は『虎に翼』におけるもう一人の主人公。好きな人と結婚し、家庭に入ることを選んだ花江は、常に家族をケアしてきた。女性たちの社会的地位向上のために新たな道を開拓しつづける寅子(伊藤沙莉)とは真逆の人生を歩んでいたが、物語のいたる場面で花江の矜持を感じた。直道(上川周作)との物語もまた見てみたい。

(文・明日菜子)

【関連記事】
今年のドラマで演技が最高だった助演女優は?(1)
今年のドラマで演技が最高だった助演女優は?(2)
今年のドラマで演技が最高だった助演女優は?(全紹介)

error: Content is protected !!