原作と全然違う…キャラ改変で物議を醸した実写化ドラマ(5)ドラマ版は無茶苦茶でも…原作者絶賛の理由とは?

text by 編集部

漫画やアニメの実写化映画では、PC(ポリティカル・コレクトネス)の観点などから、性別が変わったキャラクターが登場する場合がある。とはいえ、こういった試みは時に「原作への冒涜」という批判を受けることも。そこで今回は実写化で登場人物の性別が男性から女性になったドラマ5本をセレクト。世間の反応もあわせて紹介する。(文:編集部)

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『富豪刑事』(2005)

深田恭子
深田恭子【Getty Images】

演出:長江俊和、常廣丈太、阿部雄一(S1のみ)、池添博(S2のみ)
脚本:蒔田光治、福田卓郎
出演者:深田恭子、山下真司、寺島進、野波麻帆、鈴木一真、升毅、相島一之、西岡徳馬、載寧龍二、中山恵、虎牙光揮、市毛良枝、夏八木勲

【作品内容】

 大富豪の神戸喜久右衛門(夏八木勲)を祖父に持つ新人刑事、神戸美和子(深田恭子)が焼畑署に赴任してきた。しかし、7年前に発生した五億円事件の時効を目前に控えた鎌倉熊成警部(山下真司)は、異例の人事に大憤慨。使えない新人はいらないと追い出そうとする。

 ところが、美和子をやっかんだからといって、操作が捗るわけではない。5億円事件の捜査は、容疑者3人に絞られたところで行き詰まってしまう。頭を悩ませる捜査員たち。そんな中、突然美和子が手を挙げた。

「あの、ちょっとよろしいでしょうか」

【注目ポイント】

 本作は、日本SF界の大家、筒井康隆の原作を実写化したドラマ。脚本を『TRICK』シリーズ(2000~2014、テレビ朝日系)などで知られる蒔田光治らがつとめる。

 本作で性別が変わっているのは、主人公の神戸美和子だ。原作では、神戸大助が巨万の資産を使用して難事件を解決するという筋だが、本作では美和子が超金持ちならではのぶっ飛んだ発想で事件を解決するという設定に変わっている。

 なお、原作者の筒井は、本作について、「作品が時代にそぐわなくなった」ことから、性別の変更に承諾したとコメント。加えて、ドラマの方が無茶苦茶だと称賛を送っている(なお筒井は、喜久右衛門のライバル瀬崎龍平役で出演)。

 そういった意味で、本作は、性別改変が成功した作品といえるだろう。

(文・編集部)

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【了】

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