史上最もくだらない「サメ映画」は? 世紀の迷作(1)“進化系ザメ”の登場も…ツッコミどころ満載の珍作は?
2024年6月に公開されたNeflix映画『セーヌ川の水面の下で』。フランスで作られた本作は、「JAWS」(1975)以来のサメ映画の伝統を受け継ぐ名作だった。しかし、この裏で、毎年数々の「Z級サメ映画」が量産されていたことをご存知だろうか。今回は、思わず「時間を返せ!」と叫びたくなるようなサメ映画5本を紹介しよう。第1回。(文・編集部)
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『ダブルヘッド・ジョーズ』(2012)
上映時間:88分
原題:2-Headed Shark Attack
製作国:アメリカ
監督:クリストファー・レイ
脚本:H・ペリー・ホートン、エドワード・デルイーター
キャスト:カルメン・エレクトラ、ブルック・ホーガン、カーメン・エレクトラ、チャーリー・オコンネル、デヴィッド・ガイエゴス
【作品内容】
バビッシュ教授と教え子たちは、大学の研究合宿でソロモン諸島を訪れていた。と、突然クルーザーに何かが激突し、大きな衝突と共に浸水しはじめる。
バビッシュ教授らがボートで非難する中、船員のローラは一人海に潜り、船の修理をはじめる。すると、彼女の目の前に、獰猛な双頭のサメが現れた―。
【注目ポイント】
巨大なサメに高い知能を持つサメ、果ては古代ザメまで、サメ映画にはこれまでさまざまなサメが登場してきた。そんな中、従来にはない「進化系ザメ」として話題になったのが、『ダブルヘッド・ジョーズ』に登場する「双頭ザメ」だ。
頭が2倍だから怖さも2倍ー。そんな極めて「合理的」な発想から生まれた本作。
確かに、本作に登場するサメは、(チープなCGに目をつぶれば)従来のサメ映画にはない怖さがあり、サメ映画特有の迫り来る恐怖や次々とやられていく絶望感など、サメ映画のセオリーを比較的しっかりと踏まえている。
しかし、思わぬ誤算もあった。頭が2つあるということは、エサの数も必然的に2倍になること。そして、惨劇があっという間に終わってしまうということでもある。ホラーにしてはあまりにも効率が良すぎるのだ。
このままでは間が持たない…。そう考えた製作陣は、起死回生の策を思いつく。それは、「女性キャストを水着にする」というものだ。
ビーチでキャッキャウフフする水着ギャルという目の保養により、なんとか間を持たせることに成功している。
なあ、本シリーズは、その後回を追うごとに頭が増えていき、最終的に6つの頭を持つ『シックスヘッド・ジョーズ』まで登場している。頭が増えれば恐怖も倍増、というわけだ。
『ダブルヘッド・ジョーズ』のスタッフ陣には、このまま100万年作り続けてもらい、街をまるごと壊滅させる『ミリオンヘッド・ジョーズ』を制作してもらいたいところだ。
(文・編集部)
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【了】