日本映画史上最高のアクション俳優は? ベストアクター(3)超人的な身体能力…感情のこもった殺陣に惚れる
俳優という職業には、さまざまな条件が求められる。そのうちの1つが、「身体能力の高さ」だろう。従来、さまざまな俳優たちが、自らの身体能力をスクリーンの前で披露してきた。そんなわけで今回は、アクションに定評がある俳優を5名紹介しよう。第3回。(文・編集部)
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確かな身体能力で魅せる「美しくも悲しい殺陣」
佐藤健
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さて、続いて紹介するのは、数々の話題作で主演を張ってきた佐藤健だ。
2007年に『仮面ライダー電王』(テレビ朝日系)でいきなり連続ドラマの初主演を飾り、同年には『劇場版 仮面ライダー電王 俺、誕生!』で映画初主演を飾った佐藤。その後も、『MW-ムウ- 第0章 〜悪魔のゲーム〜』(2009、日本テレビ系)や『天皇の料理番』(2015、TBS系)など、数々の作品に出演してきた。
そんな佐藤のアクションといえば、やはり映画『るろうに剣心』シリーズ(2012~2021)の主人公、緋村剣心役で見せた演技に触れないわけにはいかないだろう。
佐藤扮する「人斬り抜刀斎」こと緋村剣心は、目にも止まらぬ速さで移動することができ、人並外れた跳躍力と剣さばきを身上とする。実写版が公開される前は、そんな剣心の超人的なアクションを生身の人間が再現できるのか不安視されたが、蓋を開けてみると、佐藤はオープニングから人間離れしたアクションを披露し、原作ファンを驚嘆させた。
なお、佐藤のアクションは、その後『るろうに剣心 京都大火編』(2014)、『るろうに剣心 伝説の最期編』(2014)とシリーズ化されていく中でさらに進化。超人的かつ冷徹なアクションから、悲しみや怒りといったアツい思いをたたえた、情感あふれるソードアクションへと変貌していく。
そんな佐藤だが、代表作となった『るろうに剣心』シリーズの前に、NHK大河ドラマ『龍馬伝』(2010)では、実在した人斬り・岡田以蔵役を演じている。このドラマでは、『るろうに剣心』における柔和な役柄と対照をなす、泥臭いキャラクターを見事に演じており、彼の表現の幅の広さを堪能する上で必見の作品となっている。
高校時代はブレイクダンスに熱中していたという佐藤。彼が繰り出す世にも美しく、どこか悲しみをたたえたアクションは、彼の長年の経験がなせる技なのかもしれない。
(文・編集部)
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