夜の煌びやかな世界を生きるホストたち。一晩で数百万円のお金が動くこともザラ。そんな異世界を生きるホストという職業は、数多くの映像作品でモチーフになってきた。そこで今回は、映画やドラマでホストの役を演じ、観客を魅了した俳優を5人セレクト。演技の魅力を解説する。第5回。（文・shuya）

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オーディションで勝ち取った大役。“クセの強いホスト”を怪演

吉村界人『地面師たち』（2024）

　2024年、Netflixで配信がスタートするや、瞬く間に口コミが広がり、社会現象を巻き起こしたドラマ『地面師たち』。そんな人気作でホスト役を演じ、一躍注目を集めたのが1993年生まれの俳優・吉村界人だ。吉村が演じたホスト・楓は、地面師たちに弱みを握られ、彼らの言いなりになる、物語を推進する重要なキャラクターだ。

　演じる吉村は、2014年に深田晃司監督『ほとりの朔子』でデビューして以来、低予算の作品からビッグバジェットの大作まで幅広い作品で印象的な芝居を披露している。

　元々、ヤンキーや女たらしの役などチャラいキャラクターには定評があり、オーディションで勝ち取ったという本作のホスト役は、彼の本領が十分に発揮されるキャラクターだ。結果、世間からは「ホスト役を演じている俳優がハマりすぎている…」と話題を掻っ攫うこととなった。

　豊川悦司、綾野剛をはじめ、日本トップクラスの役者が出揃った本作で、メインキャストに負けずとも劣らない活躍を見せることがいかに至難の業か。想像に難くないだろう。

『地面師たち』で観る者に鮮烈な印象を残した吉村だが、客を翻弄しながらも気づけばその魅力に取り憑かれてしまうような、より危険なホスト役に挑戦してほしいと思うのは筆者だけだろうか。

　最近では地上波のドラマでも活躍し、人気が急上昇している吉村。また、どこかでホストを演じている姿を見てみたいものだ。

（文・shuya）

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