史上最も面白いSF映画は? 映画史に燦然と輝く金字塔(2)すべてが革命的…後世に影響を与えた歴史的名作は?

text by 村松健太郎

世界で最も見られている映画ジャンルはSF映画である。『スター・ウォーズ』、『アバター』、マーベル、DCコミックスなどを原作にしたアメコミ映画、ピクサーやドリームワークスによる長編アニメーションの多くもSF映画だ。今回はそんなSF映画の傑作群を紹介する。第2回。(文・村松健太郎)

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映画技術の粋を凝縮した一大サーガ

『スター・ウォーズ』(1977)

『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』撮影現場にて【Getty images】
『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』撮影現場にて【Getty images】

監督:ジョージ・ルーカス
脚本:ジョージ・ルーカス
出演:マーク・ハミル、ハリソン・フォード、キャリー・フィッシャー、アレック・ギネス、ピーター・カッシング、アンソニー・ダニエルズ、ケニー・ベイカー、ピーター・メイヒュー、デヴィッド・プラウズ、ジェームズ・アール・ジョーンズ

【作品内容】

遠い昔。はるか彼方の銀河では、帝国軍による独裁体制が敷かれていた。そんな中、反乱の機会をうかがう惑星アルデラーンのレイア姫(キャリー・フィッシャー)が暗黒卿ダース・ベイダーの手で囚われの身になり、二体のドロイドR2-D2とC-3POに救援メッセージを託す。

一方その頃、砂漠の惑星タトゥイーンでは、農場手伝いの青年ルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)が漂着したR2-D2とC-3POと邂逅。その後ルークはジェダイ騎士団の一人オビ・ワン・ケノービ(アレック・ギネス)や密輸船ミレニアム・ファルコンの船長ハン・ソロ(ハリソン・フォード)たちとともに反乱軍と帝国軍の闘いに加わる。

【注目ポイント】

スタンリー・キューブリック監督の『2001年宇宙の旅』(1968)は、SF映画をジャンルとして飛躍的にレベルアップさせた。しかし、あまりの完成度の高さから、SFはむしろ手の出しにくいジャンルとなってしまった。

そんな中登場したのがスティーブン・スピルバーグとジョージ・ルーカスだ。スピルバーグは宇宙人と人間のファーストコンタクトを描いた『未知との遭遇』(1977)と『E.T.』(1982)を発表。ファミリー層を中心に大ヒットを記録した。

一方、ルーカスは、子供の頃に楽しんだ娯楽アドベンチャーの再生を目的に『スター・ウォーズ』を制作。ダース・ベイダー率いる帝国軍と、若き英雄ルーク・スカイウォーカーやハン・ソロらの戦いを描き、多くのファンを虜にした。

本作の最大の魅力は、革新的な特殊効果だろう。ルーカスは、本作の制作にあたり、自ら特殊効果専門のILM(インダストリアル・ライト&マジック)を創設。その後のハリウッドの映画作りにも大きな影響を与えた。

なお、本作はのちに3部作(さらに6部作、9部作構想が展開)となり、サブタイトルに「新たなる希望」が付けられている。映画史上に燦然と輝く一大サーガはここからはじまったのだ。

(文・村松健太郎)

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【了】

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