『御上先生』で最も演技が良かった若手俳優は? 株を上げた才能(5)優秀すぎる…ディベートシーンで光る才能

text by 望月悠木

最終回を迎えた日曜劇場『御上先生』(TBS系)。本作は、官僚派遣制度によって進学校・隣徳学院の担任教師を務めることとなった、東大卒のエリート文科省官僚・御上孝(松坂桃李)が、生徒達に「考えること」の重要性を説きながら、学校側の闇を暴くヒューマンドラマ。今回は、今後の出演作にも期待の若手俳優5人をまとめたい。第5回。(文:望月悠木)

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聡明さを示す演技

上坂樹里(演・東雲温)

『御上先生』第4話 ©TBS
『御上先生』第4話 ©TBS

 東雲温役の上坂樹里も印象的だった。元教師の父親を持つ東雲は文科省への反発心もあり、学園祭で教科書検定に関する展示を企画。しかし、受験を優先したいクラスメイトの反対に遭い、御上の提案でディベートを行うことに。

 東雲は反対派の立場を担い、「勉強に集中したい人の権利を奪っているのでは?」と自分の感情を押し殺しながらも反対意見を口にする姿を見て、苦々しい思いに駆られた視聴者は少なくなかったのではないだろうか。加えて、感情的にならずにディベートのルールに則って意見を発する様子は、東雲温というキャラの聡明さを表現し、東雲の父親がいかに良い教師、父親だったのかをさりげなく伝えていた。

 基本的に進学校に通っているだけあって3年2組の生徒達はしっかり者ばかり。御上に敵対心を抱き、教科書検定に関する展示開催に情熱を燃やしていながらも、ディベートではしっかりと立場を全うした東雲を見ると、改めて登場する生徒達の優秀さに気付される。

 上坂が“隣徳学院に通っている”ということを理解したうえで東雲を演じていたからこそ、そう思えたのかもしれない。この役への理解力の高さは、次回作でも発揮されることだろう。

※日曜劇場『御上先生』は、U-NEXT独占で全話配信中。

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【了】

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