1作目より面白い…史上最高の続編映画は? 偉大な傑作(3)アカデミー賞に批判殺到…生前最後の名演に鳥肌

text by 村松健太郎

映画ビジネスの中である意味“勝利の方程式”の一つとなっているものにシリーズ化、続編の製作がある。最近ではマーベル作品のように大きなMCUという枠組みに取り込むというものまである。そこで今回は、最高の続編が制作された洋画を5本セレクトしてご紹介する。第2回。(文・村松健太郎)

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『ダークナイト』(2008)

映画『ダークナイト』
映画『ダークナイト』【Getty Images】

監督:クリストファー・ノーラン
脚本:クリストファー・ノーラン、ジョナサン・ノーラン
原案:デヴィッド・S・ゴイヤー、クリストファー・ノーラン
原作:ボブ・ケイン、ビル・フィンガー『バットマン』
出演:クリスチャン・ベール、マイケル・ケイン、ヒース・レジャー、ゲイリー・オールドマン、アーロン・エッカート、マギー・ジレンホール、モーガン・フリーマン

【作品内容】

 バットマン(クリスチャン・ベール)は、ジム・ゴードン警部補(ゲイリー・オールドマン)らと協力してゴッサム・シティーの安全を守っていた。

 そんな中、資金難に悩むマフィアの前に、ジョーカー(ヒース・レジャー)と名乗る謎の人物が現れ、バットマンの殺害を宣言する。

【注目ポイント】

 クリストファー・ノーラン監督による『バットマンビギンズ』(2005)の続編であり、この後の2012年の『ダークナイトライジング』へと続く“ダークナイトトリロジー”の2作目。
 
 前作のラストに存在が示唆された原作でもお馴染みのスーパー・ヴィランであるジョーカーが登場し、ゴッサムシティに混乱を巻き起こす謎の存在として大活躍する。バットマンはもちろんゴードン警部補、検事のハービー・デント、さらには同業と思われたマフィアたちをも巻き込んで壮大なゲームを仕掛けてくる。

 1980年代から1990年代に展開された映画シリーズに対して、クリストファー・ノーラン監督はこのトリロジーでは徹底したリアリズムを追求し、ヒーロー映画でありながら一級のクライムサスペンスとして映画を仕上げた。

 公開されるや評論家から絶賛の声を集め、興行的にも当時の新記録を樹立した。大成功を収めた本作だがアカデミー賞作品賞の候補から漏れてしまい、選考基準に批判が殺到した。

 ジョーカーを演じたのは当時の若手のホープだったヒース・レジャー。残念ながら本作の公開を前に28歳の若さでこの世を去った。魂を込めて演じた彼のジョーカーは強烈なインパクトを残し、死後贈与という形でアカデミー賞最優秀助演男優賞に輝いた。

 ちなみに本作のヒース・レジャーを含めて映画でジョーカーを演じた俳優(ジャック・ニコルソン、ジャレッド・レト、ホアキン・フェニックス)は今のところ全てアカデミー賞俳優である。

(文・村松健太郎)

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【了】

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