1作目より面白い…史上最高の続編映画は? 偉大な傑作(5)上映禁止の国続出…伝説ホラーの素晴らしい続編は?

text by 村松健太郎

映画ビジネスの中である意味“勝利の方程式”の一つとなっているものにシリーズ化、続編の製作がある。最近ではマーベル作品のように大きなMCUという枠組みに取り込むというものまである。そこで今回は、最高の続編が制作された洋画を5本セレクトしてご紹介する。第5回。(文・村松健太郎)

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『悪魔のいけにえ2』(1986)

デニス・ホッパー
デニス・ホッパー【Getty Images】

監督:トビー・フーパー
脚本:L・M・キット・カーソン
出演:デニス・ホッパー、キャロライン・ウィリアムズ、ルー・ペリーマン、ビル・ジョンソン、ビル・モーズリー、ジム・シードー

【作品内容】

 ある日、テキサスのラジオ局レッド・リバー・ロックンロールのDJ・ストレッチ(キャロライン・ウィリアムズ)の元に、リクエストの電話が鳴る。しかし生放送中にも関わらず、電話先の若者たちが、殺人鬼・ソーヤー一家に殺害されてしまう。

 ソーヤー一家に甥を殺された過去を持つ保安官のレフティ(デニス・ホッパー)は、復讐のため、一家の元へ向かう。

【注目ポイント】

 1974年トビー・フーパー監督によって作られた低予算ホラー映画『悪魔のいけにえ』(1974)の続編。本編に登場した人の皮のマスクを被りチェーンソーを振り回す巨漢・レザーフェイスはホラーアイコンとなった。『ハロウィン』(1978)のブギーマン、『13日の金曜日』(1958)のジェイソン、『エルム街の悪夢』(1984)のフレディなどへ大きな影響を与えている。

 1作目の『悪魔のいけにえ』(1974)は徹底したバイオレンス描写が大きな注目を浴びた一方で、苦情や苦言も多く、上映中止した映画館、上映禁止となった国も少なくなかった。

 そういった紆余曲折を経ながらも製作から50年が経った今ではMoMA・ニューヨーク近代美術館にマスターフィルムが永久保存されるほどの高い評価を受けている。

 そんな『悪魔のいけにえ』(1974)はリメイク版も含めて多くのシリーズ作品が作られてきたが、トビー・フーパー監督自身が手掛けた続編は本作『悪魔のいけにえ2』(1986)だけである。

 本作最大のトピックはなんと言っても当時すでにビッグネームの俳優の一人であったデニス・ホッパーの出演だろう。彼が演じたレフティというキャラクターは1作目で殺されてしまったフランクリンの叔父という設定であり、レザーフェイス一家を長年追い続けていたという人物。

 クライマックスではレフティもチェーンソーを手にし、レザーフェイス一家相手に大立ち回りを演じる。事ここに至ってはレフティもモンスターのように見えてしまい、単純な善悪の構図は崩壊している。

(文・村松健太郎)

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【了】

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