史上最も「ラストがゾッとする」映画は? 恐ろしい結末(2)教室に鳴り響く悲鳴…未曾有の惨劇をリアルに再現

text by シモ

映画を評価する上で重要な要素であるラストシーン。作品によっては、「オチで全てが決まる」と言われるほど、作品の印象を左右する場合が多い。そこで今回は、ラストシーンが怖い映画をセレクト。見るのもためらわれるような残虐な作品からハリウッドの巨匠の作品まで、5作品を紹介する。第2回。※映画のクライマックスについて言及があります。未見の方はご留意ください。(文・シモ)

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あまりにも恐ろしい「命の品定め」

『エレファント』(2003)

俳優のジョン・ロビンソン
ジョン・ロビンソン【Getty Images】

監督:ガス・ヴァン・サント
脚本:ガス・ヴァン・サント
キャスト:ジョン・ロビンソン、イライアス・マッコネル、アレックス・フロスト、エリック・デューレン

【作品内容】

 オレゴン州ポートランドのとある高校。酒浸りの父親のせいで遅刻したジョン(ジョン・ロビンソン)は、兄に迎えを頼み、学校へと向かう。

 一方、カメラを手にしたイーライ(イライアス・マッコネル)は、カメラ片手に公園を散歩し、同級生たちの姿を写真に収めていた。

 いつもの日常、いつもの学生生活。しかし、そんな日常が、程なく一変する出来事が起こるー。

【注目ポイント】

 1999年にコロラド州で発生した「コロンバイン高校銃乱射事件」をベースにした作品。監督は『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(1997)『ミルク』(2008)のガス・ヴァン・サントで、カンヌ映画祭でパルムドールと監督賞をダブル受賞した作品として知られる。

 いつも通りの変わり映えのない日常が、2人の殺人者(アレックスとエリック)が放つ銃声と共に一変するー。本作では、そんな身も凍るような展開が、ドキュメンタリータッチで淡々と描かれている。

 特に印象的なのはラストだろう。校長や生徒を手にかけたアレックスが、冷凍庫に見つけた生徒たちを発見する。すると、アレックスは、「ど・ち・ら・に・し・よ・う・か・な・カ・ミ・サ・マ・の・い・う・と・お・り…」と呟き、次なる犠牲者を天に委ねようとする。

 エンディングテーマの「エリーゼのために」と合わせて、これほどまでにこの数え歌を恐ろしく感じたことはかつてないかもしれない。

(文・シモ)

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【了】

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