「粗探ししたのに…!」俳優・三浦誠己が愛する最高の名作映画(4)。「そんなはずない…でも完璧…」ド肝抜かれた逸品
text by 編集部
各界で活躍する著名人に「人生に影響を与えた映画」をセレクトしてもらい、その魅力を語ってもらうインタビュー企画。今回登場するのは、これまで100本以上の映画に出演してきた、俳優の三浦誠己さん。日本映画を代表する名バイプレイヤーが選ぶ心の5本は? 今回は第4回。
●粗探しをしてもスキが見つからない。ホアキン・フェニックスの演技が素晴らしい逸品
『ジョーカー』(2019)
監督:トッド・フィリップス
脚本:トッド・フィリップス、スコット・シルヴァー
出演:ホアキン・フェニックス、ロバート・デ・ニーロ、ザジー・ビーツ、フランセス・コンロイ
【三浦誠己コメント】
若い頃に観て衝撃を受けた作品が続きましたが、こちらは最近の作品です。その間に観ている作品で影響を受けた作品は沢山ありますが、役者に転向してからは勉強をするつもりで映画を観ることが多いかな。
中でも『ジョーカー』は大好きで、劇場で最も観た映画ですね。5回観ました。本作で描かれているダークヒーローって、半分以上社会が作り出したものだと思うんです。それは日頃ニュースを見ていても感じます。何か事件が起きたときに、すべてを個人の責任にするのではなく、労働環境や家庭環境など、社会的な視点で考えないと、負の連鎖は止まらないのではないか。その辺りを考える上で、本作は恰好の映画だと思います。
元々僕は芸人だったので、ホアキン・フェニックスが演じた主人公の気持ちに共感する部分が多かった。役者としてもホアキンの演技には驚かされるポイントが沢山あって、中でも冷蔵庫の中に入るシーンは気に入っていますね。
合計5回観ましたが、2回目、3回目くらいは粗探しをしてたんですよ(笑)。そんな完璧なはずはないと。でも完璧でした。アドリブもありながらも、演技が丁寧に積み重ねられています。綿密な計算のもと、しっかりと作り込んでいるのが繰り返し観ることでわかりましたね。
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