日本映画史上「最も面白い続編」は? 珠玉の名作(3)世界水準のクオリティ…大成功の立役者になった俳優は?
映画のシリーズ化は、映画ビジネスにおける“勝利の方程式”の最たるもの。一方で続編の製作には、作品を前作に匹敵する、あるいは凌駕するクオリティに仕上げなければならないというプレッシャーが付き物だ。今回は、そんな高いハードルを超えて、観客を魅了した「最高の続編日本映画」をセレクト。魅力を紐解いていく。第3回。(文・村松健太郎)
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『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』(2014)
監督:大友啓史
脚本:大友啓史、藤井清美
キャスト:佐藤健、武井咲、伊勢谷友介、青木崇高、蒼井優、神木隆之介、土屋太鳳、小澤征悦
【注目ポイント】
和月伸宏の同題ベストセラーコミックの実写化作品で2作目と3作目が同時に撮影され、連続公開された。
佐藤健、武井咲、青木崇高、江口洋介、蒼井優などが1作目から引き続き登場したほか、原作屈指の人気キャラにして最強の敵・志々雄真実役に藤原竜也が参加、他に神木隆之介、伊勢谷友介、田中泯、土屋太鳳、福山雅治など、目もくらむような豪華キャストが勢揃いした。
アクション映画のメッカである香港で腕を磨いた谷垣健治によるワイヤーアクションをふんだんに盛り込んだ演出は、当時の邦画の水準を大きく超えており、その後の日本映画のアクション演出に大きな影響を与えた。例えば、2024年に公開され、大ヒットを記録した『はたらく細胞』にもその影響を見てとることができる。
ワイヤーアクションによる浮遊感と疾走感のある剣戟シーンは原作やアニメを見てきたファンをも納得させる出来に仕上がっており、大絶賛を持って迎えられた。加えて、主役の緋村剣心を演じた佐藤健の常人離れした身体能力が作品の成功に寄与したことは言うまでもない。
この後しばらく間が空いて2021年に『るろうに剣心 最終章The Final / The Beginning』2部作が同時撮影&連続公開され、結果5部作となった。この5部作をもって原作の主だったエピソードはすべて実写化されたことになる。
いずれの作品も好評をもって迎えられたが、やはり原作で最も人気のエピソードである京都動乱編を取り上げた本作の人気は飛び抜けて高い。日本映画の叡知が結集して作り上げられた珠玉のアクション。ぜひ心してご覧いただきたい。
(文・村松健太郎)
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