バラエティ番組でお馴染みの音楽、意外な元ネタは?(3)絶妙な選曲…「格付けチェック」の細かすぎる仕掛けは?

text by 編集部

総合芸術たる映画には、さまざまな要素が含まれている。音楽もその一つだろう。古今東西、映画には、さまざまな名曲が使われてきた。そこで今回は、バラエティ番組で使われている映画音楽を5本セレクト。現在放送中の番組に的を絞って紹介する。第3回。(文:編集部)

——————————

『芸能人格付けチェック』→『新・三銃士/華麗なる勇者の冒険』(1989)

浜田雅功【Getty Images】
浜田雅功【Getty Images】

監督:リチャード・レスター
脚本:ジョージ・マクドナルド・フレイザー(英語版)
原作:アレクサンドル・デュマ・ペール『二十年後』
出演:マイケル・ヨーク、オリヴァー・リード、フランク・フィンレー、リチャード・チェンバレン、C・トーマス・ハウエル、ジェラルディン・チャップリン、キム・キャトラル、フィリップ・ノワレ、クリストファー・リー、ロイ・キニア、エウセビオ・ラザロ、アラン・ハワード、デビッド・バーキン、ビル・パターソン、ジャン=ピエール・カッセル、

【作品内容】

 17世紀、フロンドの乱真っ只中のフランス。宰相マザラン(フィリップ・ノワレ)からかつての「三銃士」を呼び寄せるよう命令を受けたダルタニャン(マイケル・ヨーク)は、アトス(オリヴァー・リード)、アラミス(リチャード・チェンバレン)、ポルトス(フランク・フィンレー)のもとを訪れる。

 ダルタニャンと20年ぶりに再会した3人。しかし、司祭になったアラミスと貴族になって息子と暮らしていたアトスは、ダルタニャンの誘いを断る。

【注目ポイント】

 バラエティ番組『人気者でいこう!』内のコーナーから特別番組化し、今やすっかり正月番組として定着した感のある『芸能人格付けチェック』(テレビ朝日系)。百戦錬磨の芸能人たちが美的センスを頼りに「高級品」と「安物」を選別するという本作のコンセプトは、一つの発明だと言えるだろう。

 さて、本番組には、ハイソサエティたる芸能界をイメージづけるべく、フランツ・クライスラー作曲の「愛の喜び」やヘンデル作曲の「オルガン協奏曲 第13番 ヘ長調 HWV295(カッコウとナイチンゲール)」など、格調高いクラシック音楽が随所に用いられている。

 中でも特に印象的なのが、商品紹介時に流れる楽曲「王の凱旋(King Return)」だろう。この楽曲は、1989年公開の映画『新・三銃士』のクライマックスで使用されている楽曲で、トランペットの輝かしいファンファーレと弦楽器の伴奏が荘厳な雰囲気を掻き立てている。
 
 また、映画音楽といえば、もう一つ正解発表シーンで流れる「A Call To Arms」についても触れなければならない。この楽曲は、南北戦争を描いたアメリカ映画『Glory』(1989)の突撃シーンで使用されている楽曲で、兵士たちの足音を象徴するようなドラムの連打と荘厳なコーラスが正解発表を待つ芸能人たちの緊張感を見事に代弁している。

 なお、余談だがこのシーン、タレントのDAIGOが不正解した時のみ、別の楽曲が流れることをご存知だろうか。アーロン・コープランド作曲の交響曲「市民のためのファンファーレ」だ。元総理大臣の竹下登を祖父にもつ生まれながらのセレブとして人気を博したDAIGOだけに、製作陣の遊び心が光る絶妙な選曲だといえるだろう。

(文:編集部)

【関連記事】
バラエティ番組でお馴染みの音楽、意外な元ネタは?(1)
バラエティ番組でお馴染みの音楽、意外な元ネタは?(4)
バラエティ番組でお馴染みの音楽、意外な元ネタは?(全紹介)

【了】

error: Content is protected !!