史上最も「ラストがゾッとする」映画は? 恐ろしい結末(3)勘違いで幼馴染を殺害…消えないトラウマとは?
映画を評価する上で重要な要素であるラストシーン。作品によっては、「オチで全てが決まる」と言われるほど、作品の印象を左右する場合が多い。そこで今回は、ラストシーンが怖い映画をセレクト。見るのもためらわれるような残虐な作品からハリウッドの巨匠の作品まで、5作品を紹介する。※映画のクライマックスについて言及があります。未見の方はご留意ください。第3回。(文・シモ)
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罪を背負った2人の覚悟
『ミスティック・リバー』(2003)
監督:クリント・イーストウッド
原作:デニス・ルヘイン
キャスト:ショーン・ペン、ティム・ロビンソン、ケビン・ベーコン、ローレンス・フィッシュバーン、マーシャ・ゲイ・ハーデン、ローラ・リニー、エミー・ロッサム
【作品内容】
ボストン近郊の小さな町、イーストバッキンガム。幼なじみのジミー、ショーン、デイブは、道路脇の乾きかけのセメントに名前を刻むイタズラをして遊んでいた。しかし、11歳の時にデイブが何者かに拉致され性的暴行を加えられたのを境に3人は疎遠になってしまう。
それから25年後。警察の要職に就いていたショーン(ケビン・ベーコン)は、かつての幼馴染ジミー(ショーン・ペン)の愛娘ケイティー(エミー・ロッサム)の殺人事件を担当していた。そんな中、捜査線上にデイヴ(ティム・ロビンス)の存在が浮上し―。
【注目ポイント】
アメリカの作家デニス・ルヘインのベストセラー小説を実写化した作品。監督は巨匠クリント・イーストウッドで、第76回アカデミー賞でショーン・ペンが主演男優賞を、ティム・ロビンスが助演男優賞を受賞した。
11歳の少年3人を引き離すことになってしまった性的暴行事件。被害者のデイブは妻子を持ち、一見普通に暮らしているように見えるが、25年経っても傷は癒えずフラッシュバックを繰り返していた。
また、深い傷を負ったのはデイブだけではない。当事者ではないジミーとショーンの中にも、事件の記憶がセメントのイタズラ書きのように残り続けていた。
そして25年後、再会した3人に二度目の悲劇が訪れる。デイブが娘を殺したと信じ込んだジミーが、今度はデイブを手にかけるのだ。
本作のラストでは、悲劇の真相を知るショーンとジミーの妻アナベスが、デイブを探す妻ボイルを尻目にじっとパレードを見つめている。平静を装う2人。その姿には、重い罪を背負って生き続ける覚悟がにじみ出ている。
(文・シモ)
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【了】