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「結末は言わずにおきます…」俳優・三浦誠己が愛する最高の名作映画(5)。「凄い裏切られ方」衝撃ラストのアジア映画は?

text by 編集部

各界で活躍する著名人に「人生に影響を与えた映画」をセレクトしてもらい、その魅力を語ってもらうインタビュー企画。今回登場するのは、これまで100本以上の映画に出演してきた、俳優の三浦誠己さん。日本映画を代表する名バイプレイヤーが選ぶ心の5本は? 今回は第5回。

●名匠キアロスタミの初期代表作

『トラベラー』(1974)


出典:Amazon

監督:アッバス・キアロスタミ
脚本:アッバス・キアロスタミ

【三浦誠己コメント】

これはユーロスペースでリバイバル上映された際に観ました。僕、あんまり見る前に情報を入れたくなくて、男の子がカメラを構えているポスタービジュアルと監督がキアロスタミっていうことだけを確認してスクリーンに向き合いました。

主人公はサッカー少年です。僕も少年の頃はサッカーをやっていて、10歳の息子もサッカーをやっているので、グイグイ引き込まれて、ラストには凄い裏切られ方をして…。

主人公は普段いたずらばかりしている悪童。プロの試合を見に行くために親のお金を盗むんですけど、まだ足りない。そこで色んな知恵を絞ってお金を稼ごうとするのですが、そのやり方が狡賢い。友達からカメラを借りて、学校の前で一芝居をうって友達を写真に撮り、その友達から小銭をもらう。

すると、「俺も撮ってくれ」と長蛇の列ができて、小銭が貯まっていくんですけど、カメラにはフィルムが入っていないんです。少年はチケット代を稼いで試合会場に向かうのですが…結末は言わずにおきます(笑)。

『トラベラー』を観て痛感させられたのは、大人は子供が思っているほど立派じゃないし、子供は大人が思っているほど幼いわけじゃないということ。これは僕がまだ小学生だった時からなんとなく思っていたことなのですが、改めて実感しましたね。それは僕の息子に対しても思うし、僕自身、大人になりきれない部分もありますから。

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