なぜ転落…映画史に残る消えた天才は? 闇堕ちした子役(5)大金持ちから生活難に…足かせになった成功
『ホーム・アローン』、『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』、『ターミネーター2』に『グーニーズ』…。時代を彩った名作映画の共通点はおわかりだろうか。そう、いずれの作品も子役が印象的な演技を披露しているのだ。しかし、彼らのその後の人生は決して順風満帆ではなかった…。そんな彼らの数奇な人生を紹介する。第5回。(文・阿部早苗)
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子役スターの成功と苦難を象徴
ゲーリー・コールマン
生年月日:1968年2月8日
代表作:テレビ『アーノルド坊やは人気者』(1978~1986)
アメリカで放送された人気番組『アーノルド坊やは人気者』(1978~)のアーノルド・ジャクソンを演じたことで大ブレイクしたゲーリー・コールマン。腎臓の病気による成長障害のため身長は140cmほどにとどまり、この病気によって生涯にわたって人工透析を受けていたが、その愛嬌のある演技で1970年代後半から1980年代にかけて子役スターとして成功を収め、同番組では1話につき10万ドルを稼ぐほどの人気タレントとなった。
決め台詞が流行し、多くの視聴者に親しまれたが子役時代の成功が足かせになったのか、その後は順調にキャリアを築くことができなかった。経済面でも苦境に立たされ、両親やマネージャーが財産を不正に管理していたとして訴訟を起こし勝訴したものの、生活は苦しく、ショッピングモールの警備員を務めるなど俳優業以外の職で糊口をしのぐことに。
1998年には警備員として働いていた際、バス運転手の女性と口論になり、彼女を殴打した容疑で起訴される。裁判では恐怖を感じたために殴ったと主張したものの、有罪判決を受けている。2003年にはカリフォルニア州知事選挙に出馬するも落選。その後もトラブルが続き、2007年には18歳年下のシャノン・プライスと結婚するが、暴力が原因で離婚訴訟に発展する。
そんな波乱万丈だったコールマンの訃報が報じられたのが2010年5月だ。自宅で転倒し頭部に怪我を負った。その2日後、容態が急変し脳内出血のため死去している。
コールマンの人生は、子役スターの成功と苦難を象徴するものとして多くのメディアで取り上げられてきた。しかしながら、そのユーモラスな演技と個性的なキャラクターは、今もなお多くの人々の記憶に残っている。
(文・阿部早苗)
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