闇が深すぎる…史上最も恐ろしい“ヒトコワ”海外映画(2)失踪した妻の本性がヤバい…価値観変わる衝撃展開
チャッキーにジグソウ、そして貞子ー。ホラー映画はこれまで世にも恐ろしい「スター」たちを多数輩出してきた。しかし、怖いのは何も妖怪や幽霊だけではない。隣に住むあの人も、突然「モンスター」に変貌するかもしれないのだ。そこで今回は身近に潜む人間の恐怖を描いた「ヒトコワ映画」5本をセレクト。海外発の傑作スリラーを紹介する。第2回。(文・ニャンコ)
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結婚の欺瞞を暴いた問題作
『ゴーン・ガール』(2014)
監督:デヴィッド・フィンチャー
脚本:ギリアン・フリン
キャスト:ベン・アフレック、ロザムンド・パイク、ニール・パトリック・ハリス、タイラー・ペリー、キャリー・クーン、キム・ディケンズ、パトリック・フュジット
【作品内容】
5回目の結婚記念日の朝。双子の妹と共同経営するバーにいたニック・ダン(ベン・アフレック)は、妻エイミー(ロザムンド・パイク)の毎年恒例の宝探しクイズに頭を悩ませていた。
その後、自宅に戻ったニックは、エイミーが失踪していることに気づく。状況を知ったニックはすぐさま警察に連絡、事件として捜査を開始するが、メディアはニックを犯人扱いしていた。
【注目ポイント】
ギリアン・フリンの小説を原作に、結婚生活の裏側に潜む狂気と欺瞞を描出したサイコスリラー。監督は『ファイト・クラブ』(1999)のデヴィッド・フィンチャーで、夫ニック役をベン・アフレック、エイミー役をロザムンド・パイクが演じている。
エイミーが失踪し、夫ニックに殺人の疑いが向けられるところから始まる本作。世間の憶測が渦巻く中発覚する驚愕の真実は、「理想の夫婦像」という欺瞞と愛と憎しみの曖昧さを、観客に否応なしに突きつける。
とりわけ注目は、エイミー役のパイクの演技だろう。表面上の被害者像から一転、自己演出の天才としてメディアを席巻するエイミー。その演技はまさに圧巻で、制作時はアカデミー主演女優賞にもノミネートされた。
また、原作者のフリン自身による脚本やトレント・レズナーとアッティカス・ロスによる不穏な音楽も本作の見どころのひとつ。特に、不倫の脚本はフィンチャーの精緻な演出と見事に融合しており、本作にただならぬ緊張感を与えている。
ミステリーの枠を超え、男女の役割やメディアの偏見といった、社会的テーマにも鋭く切り込んだ本作。その衝撃に、観る者のあなたの価値観も揺さぶられること間違いないだろう。
(文・ニャンコ)
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【了】