”お蔵入り”の真相は…? 製作中止になった悲劇の海外映画(2)原因不明の制作中止でモヤモヤ…幻の大作

text by 阿部早苗

莫大な予算をかける映画ビジネスには、多くの夢と希望が詰まっているが、裏を返せばその分リスクも大きい。さらに大々的に制作発表されていたにも関わらず中止ともなれば、その理由が気になってしまうのが人間だ…。そこで今回は、制作中止になった洋画を5本セレクトして、その理由とともにご紹介する。第二回。(文・阿部早苗)

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原因不明の制作中止でモヤモヤ…

『ザ・トレンチ』

ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世
ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世【Getty Images】

脚本:ノア・ガードナー、エイダン・フィッツジェラルド
出演:ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世

【注目ポイント】

 DCコミックスのキャラクターを原作としたアメリカのスーパーヒーロー映画『アクアマン』(2018)。監督はジェームズ・ワン、主演はジェイソン・モモアが務め大ヒットを記録。2023年には続編が全米で公開された作品だ。

 同作のスピンオフとして計画されていた映画がある。それが『ザ・トレンチ(原題)』だ。映画は、アクアマン本編に登場した深海に潜む凶暴なクリーチャー「トレンチ族」に焦点を当てた、ホラー色の強い内容になる予定だった。

 プロデューサーには『アクアマン』を手がけたジェームズ・ワンとピーター・サフランが名を連ね、脚本はノア・ガードナーとエイダン・フィッツジェラルドが担当。当初は『アクアマン』とその続編『アクアマン/失われた王国』の間に位置する物語として企画が進められていたが、2021年にワーナー・ブラザースはこのプロジェクトの中止を正式に発表。その背景についての詳細は明かされていない。

 SNSでは公開を楽しみにしていたファンも多く、「観たかったな~」「楽しみにしてたのに」といった声が相次ぎ、製作中止の発表に落胆する人が続出した。

 結果的に『ザ・トレンチ』は日の目を見ることなく幻の作品となった。現時点では『アクアマン』の新たなスピンオフの計画は発表されていない。

(文・阿部早苗)

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【了】

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