アイドルとして多くのファンを魅了してきた旧ジャニーズ出身の芸能人。歌やダンスなどのスキルが高く、完璧な彼らだが、俳優としても評価され、「演技派俳優」として日本の演劇界で確固たる地位を築いた者も少なくない。今回は、旧ジャニーズ出身俳優の中でも、特に高い評価を受ける5人セレクト。それぞれの魅力を紹介する。第5回。（文・shuya）

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内面的な心情を表現する

錦戸亮

　NEWS、関ジャニ∞（現SUPER EIGHT）の元メンバーとして活動をしていた錦戸亮。アイドル時代は、自身のソロ曲の他にグループの曲も多数手がけており、端正なルックスと甘い声で歌い上げる姿に魅了されたファンは数知れない。

　独立後も、アーティストとして活動を続けるが、今では、俳優業での活躍が目覚ましい。

　錦戸亮がアイドルとしてのみならず、役者としても稀有な才能に恵まれていることを、世間に広く知らしめたのは、ドラマ『ラスト・フレンズ』（フジテレビ系、2008）だろう。

　本作で錦戸は、異常な独占欲に駆られ恋人に暴力を振るう宗佑役を演じた。錦戸は、宗佑が抱える心の闇を繊細な表情とゆらぎのある声で丁寧に表現し、作品全体に不穏な緊張感を生み出すことに成功。その甲斐もあり、本作は、現在でも民放ドラマ史に残る名作として語り継がれている。

　役者としての錦戸は、アイドルとして活動していた頃とはまったく別人のようだ。ステージで放つ華やかなオーラとは対照的に、作品の中で見る錦戸は内面にある深い業を感じさせる。両者のギャップの大きさが錦戸の尽きぬ魅力の源泉に違いない。

（文・shuya）

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