朝ドラで“主役を食った”女優は? スゴい演技で魅せた宝石(3)主演を凌駕…10代から光った圧倒的な演技力
1961年にスタートしたNHK連続テレビ小説、通称“朝ドラ”。月曜日から金曜日まで毎朝8時から放送され、通勤や通学前など、生活の一部となっている人もいるだろう。今回は、そんな朝ドラの中から、主役を食うほどの演技で存在感を放った女優5選をお届けする。第3回。(文・阿部早苗)
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当時10代ながらも圧巻の演技力で視聴者を魅了
菅野美穂『走らんか』(1995)
1995年10月から1996年の3月末にかけて放送されたいた連続テレビ小説『走らんか!』は、本作が俳優デビューとなった三国一夫が主演を務め、漫画『博多っ子純情』をモチーフに、原作者・長谷川法世が新たに書き下ろした作品である。
物語は博多の街を舞台に、若者たちの等身大の成長を描く青春ドラマ。男子高校生の主人公を取り巻く役として中江有里、菅野美穂が抜擢され、加藤晴彦、宍戸錠、丹波哲郎、草刈正雄といった豪華キャストが名を連ねた。
その中でも一際目立っていたのが菅野美穂の存在だ。三国演じる主人公・汐に想いを寄せる幼馴染の真理を演じた菅野は当時10代。可憐な佇まいは否が応でも視聴者の目を引き、キメの細い演技は群を抜いていた。汐が転校生の美少女・美樹(中江有里)に惹かれていく中、汐に想いを寄せる真理の切ない感情と葛藤を表現した菅野の演技は天才の片鱗を示してやまないものだった。
「菅野美穂の出世作というイメージがどうしても強い」という声もあるくらい、『走らんか』で存在感を放っていた菅野。その後も『ちゅらさん』(2001)『べっぴんさん』(2016~2017)『ひよっこ』(2017)と朝ドラに出演し、記憶に残る名演を披露した。
そんな菅野は朝ドラの主演を務めたことがない。しかし、なぜか朝ドラヒロインのイメージが付きまとう。それはひとえにそれぞれの出演作で主役に負けずとも劣らない存在感を発揮しているからに違いない。
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