まさかのクビ…? 続編で消えた映画の人気キャラ(4)衝撃の退場劇…主役級ヒーローの呆気ない最期とは?
周知の通り、映画は、監督や脚本家の意向のみで制作されるわけではない。作品が劇場で流されるまでには、キャストの許諾や法的問題など、さまざまなしがらみをクリアしなければならない。そこで今回は、シリーズの途中で消えたキャラクターを5名紹介。裏に隠された「大人の事情」まで詳かに解説する。第4回。(文:編集部)
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ジェームズ・マースデン/『X-MEN: ファイナル ディシジョン』(2006)
監督:ブレット・ラトナー
脚本:ザック・ペン、サイモン・キンバーグ
出演:ヒュー・ジャックマン、ハル・ベリー、イアン・マッケラン、ファムケ・ヤンセン、パトリック・スチュワート、アンナ・パキン、ケルシー・グラマー、ジェームズ・マースデン、レベッカ・ローミン、ショーン・アシュモア、アーロン・スタンフォード、エリオット・ペイジ、ダニエル・クドモア、ベン・フォスター、マイケル・マーフィー、ヴィニー・ジョーンズ
【注目ポイント】
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)や『ドクター・ストレンジ』(2016)など、数々の人気作で知られるアメコミ映画。その先駆けとして今なお多くの人々に影響を与えているのが『X-MEN』シリーズだ。
スタン・リーとジャック・カービーが創作した同名マーベル・コミックを原作とした本シリーズ。その人気の秘密は、なんといってもヒュー・ジャックマン演じるローガンをはじめとする個性豊かな「X-MEN」の面々だろう。彼らが超能力を駆使して世間の差別と戦う様子は、多くの観客を虜にしてきた。
さて、今回紹介するのはそんな「X-MEN」のリーダー、スコット・サマーズだ。ギリシャ神話に登場する一つ目の巨人「サイクロップス」をコードネームに持つ彼は、その由来通り目から出す破壊光線で敵を圧倒。ウルヴァリンと対立しながらも持ち前のリーダーシップでグループを率いてきた。
しかし、そんな彼も、3作目の『X-MEN: ファイナル ディシジョン』(2006)で最期を迎えることになる。恋人のジーン・グレイにあっけなく殺されたのだ。しかも、直接的に殺人シーンが映ったわけではなく、あくまで示唆されるにとどまっていた。
シリーズの準主役級のキャラクターが、なぜこれほどあっけない死を迎えたのか。この裏には、スコット役のジェームズ・マースデンの降板劇があったと言われている。
実は『X-MEN』シリーズ、3作目の途中で、監督がブライアン・シンガーからブレット・ラトナーに変わっている。ブライアンが新たに『スーパーマン リターンズ』の監督に専念することになったからだ。さらにこの時、ブライアンはジェームズをリチャード・ホワイト役に起用。これにより、ジェームズは『X-MEN』の制作にスケジュールを割けなくなってしまったのだ。
途中で仕事を放り出すのは正直どうかと思うが、ブライアンの目論見は成功し、『スーパーマン リターンズ』は2006年の全世界の公開作品で9位となる大ヒットを記録。批評家筋のウケもよく、最高のスーパーヒーロー映画との称賛を受けた。
(文・編集部)
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