名作なのに再放送禁止? 視聴困難な”ワケあり”ドラマ(3)爆発的人気も謎の打ち切り…封印された理由とは?

text by 編集部

各種配信サービスが充実する昨今、かつてのあの名作をもう一度!と思う人も珍しくないだろう。しかし、そういう作品に限ってなぜか配信されていない、ということも”あるある”だ。今回は、放送当時は話題を呼んだ大作にも関わらず、現在では視聴困難となってしまった民放ドラマを5本セレクトしてご紹介する。第3回。(文・編集部)

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ぶつかり合いながらも絆を深めていく教師と生徒たちの物語

『はいすくーる落書』(TBS系、1989)

斉藤由貴
斉藤由貴【Getty Images】

脚本:山元清多
出演:斉藤由貴、清水宏次朗、越智静香、所ジョージ、伊東四朗、小林稔侍、佐野史郎、稲川淳二、石倉三郎

【作品内容】

 諏訪いづみ(斉藤由貴)は「夏休みが多い」「若い男の子に囲まれる」といった軽い動機で教師を志し、地元の京浜実業高校へ英語教師として赴任。担任を任されたのは、工業科でも特に素行の悪い不良が集まる二年機械科だった。

【注目ポイント】

 1989年に放送された『はいすくーる落書』(TBS系)は、斉藤由貴演じる新米教師・諏訪いづみが、不良生徒たちと向き合いながら成長していく姿を描いている。主題歌にはTHE BLUE HEARTSの「TRAIN-TRAIN」が起用され、青春ドラマの金字塔として高い人気を誇った学園ドラマだ。

 ブレイクするきっかけとなった的場浩司や保阪尚希が不良生徒役で出演し、続編となる『はいすくーる落書2』(1990)では、前作に対して全国工業高等学校長協会からの抗議があったことを受け、舞台を工業高校から普通高校に変更。続編では萩原聖人が生徒役として出演した。

 教室での喫煙や教師へのレイプを企てる生徒など不良生徒たちの描写が過激だった本作。生徒たちの荒々しさに圧倒される主人公が、次第に真正面から向き合うようになり、反発していた生徒たちも心を開き始める。ぶつかり合いながらも絆を深めていく教師と生徒たちの関係を笑いと涙を織り交ぜたタッチで描いており、高い評価を受けている。

 再放送については、パート1は一度きり、また、関西地区で一度再放送されたものの第1話で打ち切られ、パート2に至っては一度も再放送されていない。コンプライアンスに加え、工業高校のイメージを損なうとして一部関係者から寄せられた抗議が、大きな影響を及ぼしているようだ。

(文・編集部)

【記事修正】
※2025.6.9情報の誤りがあり、記述を修正しました。

再放送については、パート1が一度再放送されたものの第1話で打ち切られ、パート2に至っては一度も再放送されていない。

再放送については、パート1は一度きり、また、関西地区で一度再放送されたものの第1話で打ち切られ、パート2に至っては一度も再放送されていない。

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【了】

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