今、最も同業者から尊敬されている日本人俳優は?(3)演技も人柄も完璧、若手が憧れる現役最強の視聴率男は?
同業者から尊敬を集める音楽家は「ミュージシャンズ・ミュージシャン」と呼ばれる。俳優界も例外ではなく、「アクターズ・アクター」と呼ぶほかない存在が少なからずいる。現場を知る者たちが「共演したい」と語る俳優には、突出した何かがあるのではないか。今回は“同業者にファンが多い俳優”を5人セレクト。その活動に焦点をあて、演技の素晴らしさを紐解いていく。第2回。(文・shuya)
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若手俳優から尊敬を集める視聴率男
堺雅人
柔和な笑顔とは裏腹に、内に秘めた圧倒的な集中力と知性で、多くの俳優から厚い信頼と尊敬を集めている堺雅人。『半沢直樹』(TBS系、2013~)や『リーガル・ハイ』(フジテレビ系、2011~)など、誰にも真似できない独自の演技センスを発揮し、視聴者を魅了し続けてきた。
シリアスからコメディまで、ジャンルを問わず自在に演じ分けることができる柔軟さと深みこそが、堺の最大の魅力と言えるだろう。また、出演作は軒並み話題を呼び、高い数字を残すことから、現役屈指の「視聴率男」として、お茶の間はもちろん、業界からの信頼も厚い。
そんな堺に対して、尊敬の念を隠さず語っているのが俳優・中川大志だ。ふたりはNHK大河ドラマ『真田丸』(2016)で共演しており、中川は当時のインタビューで、堺との共演に緊張を覚えたことを明かしている。
「1番影響を受けたというか、刺激をもらったというか、かっこよかったなと思ったのが、口で言って引っ張ってみんなを鼓舞して、という方ではないんですよ。本当に芝居で魅せる。堺さんって本当にNGを出さないんですよ。それで周りに緊張感が出てくるんです。『堺さんがあれだけNGを出さないから俺たちもNG出せない』って」
さらに中川は、「カメラが回っていない場所では、役者の人たちに気遣いをしてくれる」と、演技だけでなく堺の人柄に対しても深い敬意を口にしている。
言葉の選び方や間合いといった細部にまで宿る知性、そして自然と周囲を引き締める空気感。堺雅人という俳優が評価される理由は、演技力の高さだけでなく、人としての誠実さや温かさにもあるのだろう。
その証拠に、中川大志だけでなく、神木隆之介も「共演すると引き込まれてしまう」と語り、竹内涼真や松坂桃李といった人気俳優たちにとっても、堺は目標であり、理想像のひとつとして尊敬される存在となっている。
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