意外と知られていないジブリ映画の裏設定は?(2)謎が多すぎる…『トトロ』と『千と千尋』をつなぐ存在とは?

text by 阿部早苗

スタジオジブリの作品には、公式では語られない「噂」や「仕掛け」が満載。短編アニメの裏設定から複数作品にまたがる“隠しキャラ”まで、ファンの想像をかき立ててやまない小ネタの宝庫だ。今回は、そんなジブリの知られざる魅力に迫るトリビアを5つ厳選してご紹介する。第2回。(文・阿部早苗)

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2つの世界を行き来する謎多きキャラクター

『千と千尋の神隠し』に『となりのトトロ』の“まっくろくろすけ”が出演

© 2001 Studio Ghibli・NDDTM
© 2001 Studio Ghibli・NDDTM

【注目ポイント】

 スタジオジブリの名作『となりのトトロ』(1988)と『千と千尋の神隠し』(2001)。この2作品は、物語の舞台もテーマもまったく異なる別の世界を描いている。

『となりのトトロ』は、田舎へ引っ越してきた姉妹・サツキとメイが、森の不思議な生き物たちと出会いながら、家族の絆や自然とのふれあいを描くあたたかな物語。一方『千と千尋の神隠し』は、現代の少女・千尋が不思議な異世界に迷い込み、両親を助けるために奮闘する成長と冒険を描いたファンタジーアニメだ。

 そんなまったく別の物語に、実は共通して登場しているキャラクターがいる。それが“ススワタリ”、通称「まっくろくろすけ」。見た目は小さくて真っ黒、毛玉のような姿をした架空の妖精(付喪神)で、ジブリファンにはおなじみのキャラクターと言ってもいいだろう。

『となりのトトロ』では、サツキとメイが引っ越してきた古い家に住み着いており、人の気配や光を嫌ってどこかへと姿を消してしまう。ところが、『千と千尋の神隠し』では、千尋が迷い込んだ不思議な世界にある湯屋「油屋」のボイラー室で、ススワタリたちが釜爺のもと、一生懸命に石炭を運ぶ姿が描かれている。エサに金平糖をもらう場面は印象的だ。

 このように、ススワタリはジブリ作品にまたがって登場する数少ないキャラクターの一つであり、世界観や時代背景こそ異なるものの、こうした遊び心あるキャラクターの登場がジブリ作品の魅力でもあるといえるだろう。

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