尾田栄一郎は天才…『ワンピース』史上最高の伏線回収(2)実は初期から示唆されていた”もう1人の存在”
1997年に連載を開始して以来、世界中で愛され続けてきた漫画『ONE PIECE』。累計販売部数は5億冊に上り、漫画界の聖書との異名をとっている。そんな本作だけに、数年ごし、時には数十年越しの「伏線回収」が話題となることも多い。今回は、読者が感嘆した驚愕の伏線を5本紹介しよう。第2回。(文・編集部)
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サボは最初からそこにいた――巧妙な伏線の真実
生き残っていたサボ
白ひげ海賊団と海軍が真正面からぶつかったマリンフォード頂上戦争は、ルフィの心に一生消えない傷を残した。ルフィの心の支え義兄エースが、海軍大将赤犬(サカズキ)の攻撃で亡くなったのだ。登場人物の死を描かないことで知られる『ONE PIECE』で明確な死を描かれたのは初めてとあって、ショックを受けた読者も多かったことだろう。
しかし、エースの死の直前に、もう1人の義兄の存在が明らかになっていた。サボだ。
ゴア王国の貴族階級出身のサボは、自身の育ってきた環境に疑念を抱いて家出。郊外のゴミ山「不確かなものの終着駅(グレイ・ターミナル)」に漂着してルフィやエースと契りの盃を交わした後、国外に脱出していた。しかしその後、サボの乗る船が天竜人(世界貴族)の手によって沈没させられ、行方不明になっていたことから、ルフィやエースからは死んだものと思われていた。
さて、このサボ、実はかなり初期の段階から構想があったことが知られている。最も有名なのは、エースの左腕に彫られていた「ASCE」というタトゥーだろう。このタトゥー、「S」にのみ×印がつけられていることから、当初はスペルミスを修正したものだと思われていたが、今は「サボの死を表したものとする解釈が主流になっている。
また、マリンフォード頂上戦争編でのエースとルフィの回想では、2人の盃を写したコマにもう1つ盃のフチが見切れており、盃を交わした人がもう1人いるのではないかと話題を呼んでいた。
さて、そんなサボだが、実は生きているのではないか、という説がささやかれていた。ヒントは、668話の扉絵に描かれたエースと白ひげの墓だ。ジャンプでは広告が被さってしまっているものの、はっきりと2つの盃が描かれている。1つはルフィが供えたものとして、もう1つは―?というわけだ。
読者によるこの憶測は、ドレスローザ編で答え合わせとなる。革命軍の参謀総長に成長したサボがルフィの前に颯爽と姿を現したのだ。
実はサボ、船が沈没した後に、革命軍総司令官のドラゴンの手によって救い出されていた。その後、一時記憶喪失に陥っていたものの、エースの死を契機に記憶を取り戻し、かつての盟友の危機に立ち上がったのだ。
その後サボは、エースが食べていたメラメラの実を継承。今後は『ONE PIECE』の世界のカギを握る重要人物として、ルフィとの共闘が期待されている。
(文・編集部)
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