名作なのに再放送禁止? 視聴困難な”ワケあり”ドラマ(5)主人公を真似して人を殺し…名作を汚した怪事件は?
各種配信サービスが充実する昨今、かつてのあの名作をもう一度!と思う人も珍しくないだろう。しかし、そういう作品に限ってなぜか配信されていない、ということも”あるある”だ。今回は、放送当時は話題を呼んだ大作にも関わらず、現在では視聴困難となってしまった民放ドラマを5本セレクトしてご紹介する。第5回。(文・編集部)
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キムタクのファッションやバタフライナイフもブームとなった名作
『ギフト』(フジテレビ系、1997)
脚本:飯田譲治、井上由美子
出演:木村拓哉、室井滋、篠原涼子、今井雅之、忌野清志郎、小林聡美、倍賞美津子
【作品内容】
厚生省官僚・岸和田と共に横領に関与していた奈緒美(室井滋)は、失踪した彼の部屋で血まみれの青年・早坂由紀夫(木村拓哉)を発見する。記憶を失った由紀夫は、3年後「届け屋」として奈緒美のもとで働いていた。異様な足の速さと“届ける”ことへの執着を見せる彼は、配達を通じてさまざまな人々と出会い、やがて失われた記憶の断片を取り戻していく。
【注目ポイント】
1997年に放送されたドラマ『ギフト』(フジテレビ系)は、木村拓哉が記憶喪失の青年・早坂由紀夫を演じる社会派サスペンス。
主人公の由紀夫は、人材派遣会社を営む奈緒美(室井滋)のもとで、届け屋として危険な依頼を請け負っている。脅迫状や武器など、法に触れる品々を、驚異的なスピードと正確さで届けていた。
しかし、彼自身はその行為に一切の疑問を抱かない。やがて、由紀夫の過去に数十億円の大金が関係していると気づいた刑事の令子(倍賞美津子)が捜査を開始する。そして届け屋としての日常を通じて、由紀夫の失われた記憶の扉が少しずつ開かれていくというもの。
ドラマの中で、木村拓哉がバタフライナイフをカッコよく操るシーンがある。元々、スタイリッシュな演出と衝撃的な展開で話題を呼んでいた本作。キムタクのファッションに加え、バタフライナイフもブームとなった。
そんなバタフライナイフが原因の事件が起きてしまう。放送翌年の1998年に発生した中学生による刺殺事件だ。すでに放送は終えていたものの、加害者が「ドラマに影響を受けた」と供述したことから、再放送されていた放送局は打ち切りとなった。
しかし、事件から20年以上が経過した2019年、ついにBlu-rayやDVD BOXが発売された。同年12月からは一部で配信も開始されている。とはいえ現在に至るまで地上波の再放送はされていない。
(文・編集部)
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【了】