降板トラブルの救世主…代役でブレイクした女優は?(4)評価急上昇…視聴者の心を打つ名演を披露した宝石は?

text by 野原まりこ

何かと騒がしい昨今の芸能界。輝かしいスポットライトには、大きな影がつきものだ。しかし、世間を騒がす降板劇の裏で、脚光をあびる女優の姿がある。そこで今回は、降板した女優の代役を務め、作品を成功へ導いた女優を5人セレクトしてご紹介する。第4回。(文・野原まりこ)

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2クール連続で異例の主演

松本若菜『わたしの宝物』(2024)

<div>松本若菜【公式Instagramより】</div>
松本若菜【公式Instagramより】

 ドラマ『やんごとなき一族』(2022年)での鮮烈な快演が注目を集め、以降、飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍の場を広げている女優・松本若菜。

 そんな彼女が代役として主演を務めたのが、2024年7月期に放送されたドラマ『わたしの宝物』だ。前クールでは『西園寺さんは家事をしない』で主演を務めたばかりであり、2期連続での主演という異例の抜擢は、松本が業界内でいかに高い信頼を得ているかを物語っている。

 本作のテーマは「托卵(たくらん)」というセンシティブな題材を扱った、大人の恋愛ドラマ。松本が演じる主人公・神崎美羽は、モラハラ夫・宏樹(田中圭)との間に子どもがいると偽り、実は幼なじみの冬月稜(深澤辰哉)との間にできた子を育てているという複雑な役柄だ。美羽は一見“悪女”にも映るが、物語が進むにつれ、彼女の内面にある葛藤や母としての強さ、そして切実な愛情が繊細に描かれていく。

 感情の微妙な揺れや、理性と欲望のはざまで揺れ動く人間らしさを丁寧に表現した松本の演技は、多くの視聴者の心を打ち、ドラマの大きな成功へとつながった。代役という立場ながら、作品そのものの印象を塗り替えるほどの存在感を示し、“実力派”としての評価を決定づけた。

 なお、当初主演を予定していた女優の名前は公表されていないが、松本若菜の抜擢は“結果として最高のキャスティング”だったと言えるだろう。

(文・野原まりこ)

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【了】

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