「”闇のゲーム”が地獄に誘う…」ネット社会の危険を描いた映画(5)。身の毛がよだつ…恐怖の世界とは?
昨今、仮想通貨を巡る詐欺や、SNSから事件・トラブルに巻き込まれる人々が増えている。リアルな世界では見せられない欲望がむき出しになるネット上で、加害者は被害者は何を思うのか? 今回は、そんなインターネットの闇を描いた作品を5本セレクトした。明日は我が身としてぜひ役立てていただきたい。今回は第5回。(文・寺島武志)
●大金と自己顕示欲が若者達を危険なオンラインゲームへと誘う
『NERVE/ナーヴ 世界で一番危険なゲーム』(2016)
上映時間:96分
製作国:アメリカ
監督:ヘンリー・ジュースト、アリエル・シュルマン
脚本:ジェシカ・シャーザー
キャスト:エマ・ロバーツ、デイヴ・フランコ、エミリー・ミード、マイルズ・ハイザー、ジュリエット・ルイス、キミコ・グレン、マーク・ジョン・ジェフリーズ、マシン・ガン・ケリー、ブライアン・マーク、エド・スクワイアズ
【作品内容】
「ナーヴ(NERVE)」と呼ばれる人気オンラインゲームに参加したことから、様々な危機に巻き込まれてしまう若者たちの運命をスリリングに描いたサスペンス映画。内気な女子高生のビー(エマ・ロバーツ)は、ある日、好きだった男性に振られてしまう。ショックを紛らわせるため、勢いでナーヴなるオンラインゲームに手を出す。ナーヴはスマホやパソコンを通じ、視聴している人からの指令を実行することで、視聴者から人気を獲得し賞金を得るゲームだ。
ナーヴから出された初めての指令は見知らぬ人と5秒間キスをすること。ビーは指令をクリア。莫大な賞金を手にし、めきめきと人気プレイヤーとなっていくのだが、やがて、ナーヴからの指令内容は次第に危険なものへと変わっていく…。
【注目ポイント】
現代においてすっかり日常的になった「オンラインゲーム」をテーマにした作品だ。本作が描くオンラインゲームは、不特定多数の人から注目を浴びたいという、SNS時代に特有の欲望に付け込み、無知な若者の未来を奪っていく。いかにも現実にありそうで、観ていて身の毛がよだつ。
昨今、「1日100万円」といった甘い誘い文句をSNS上で発信し、経済的に困窮した若者を悪の道へと誘う「闇バイト」が世間を騒がしている。本作が描くのは「ナーヴ(NERVE)」というオンラインゲームだが、高額なお金をチラつかせ、目がくらんだ若者をカモにするという構造には共通する面がある。
現実問題、オンラインゲームの中には、闇カジノなども存在している。人生を破綻させかねない危険なゲームなどない方がいいに決まっているが、自己顕示欲や金銭欲といったものを満たすツールとして、人間の弱い部分につけ込む形で蔓延っているから厄介なのだ。本作が描く”闇”には現代社会を考える上で大事なヒントが多く散りばめられており、反面教師にするために一見をお勧めする。
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