識者が選ぶ「もっとも満足度が高かった春ドラマ」は?(3)食わず嫌いはもったいない…期待を超えた良作は?
2025年春ドラマを振り返るドラマ座談会を開催。注目度の高い作品を中心に、3名のドラマライターが今期もっとも面白かったドラマを5本選出した。それぞれの魅力を深掘りし、共感ポイントや俳優、脚本の魅力に迫る。ドラマファン必見の座談会レポートをお届け。第3回。(文・編集部)
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食わず嫌いはもったいない
『PJ ~航空救難団~』(テレビ朝日系)
―――当初、予想していた以上に面白かった作品はありますか?
まっつ「『PJ ~航空救難団~』(テレビ朝日系/以下、『PJ』)が、意外と面白かったです。普段はあまり見ないジャンルなので、良い意味で裏切られました。内野聖陽さん演じる主人公の宇佐美が、パワハラだとネットの一部で指摘されていましたが、熱血なキャラクター性はエンタメらしいし、一方で、訓練シーンは航空自衛隊の全面協力で、演者の人たちも実際にトレーニングを重ねた上での撮影なので、リアリティもかなり高かった。両者のバランスがちょうど良いと感じました」
苫「私も『PJ』面白かったです。訓練生に1人だけ女性がいて、時代的にも女性でも活躍できるんだぞ!という方に持っていくのがドラマのセオリーだと思いますが、体力の限界を痛感して途中で辞退するところにリアリティを感じました。宇佐美をはじめとする教官たちのパラハラと捉えられかねない言動も、けして、いじめているわけではなくて、生半可な気持ちでは実際の現場で命を落としかねないからこそ、とことん厳しくしなきゃいけないんだな、という納得感のある形で描いてましたし。ドラマだからといって、きれいごとに終始していなかったのが良かったと思います」
まっつ「訓練生たちのドラマは観ていて面白いし感動もしたので、観た人の満足度は高いと思います。ただ普段の僕のように、食わず嫌いして見逃している人も結構いるんじゃないかと思うともったいないですね」
あまの「これぞ主演の力を感じますね」
【出席者プロフィール:苫とり子】
1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。
【出席者プロフィール:あまのさき】
アパレル、広告代理店、エンタメ雑誌の編集などを経験。ドラマや邦画、旅行、スポーツが好き。
【出席者プロフィール:まっつ】
1993年、東京生まれ東京育ち。本職はスポーツウェブメディアの編集者だが、エンタメ・お笑いライターとして修行中。1週間に20本以上のラジオを聴く、生粋の深夜ラジオ好き。今一番聴くべきラジオは『霜降り明星のオールナイトニッポン』。好きなドラマは『アンナチュラル』、『いちばんすきな花』、『アンメット』。
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